浅間山

火 山 観 測 情 報

第 2 号
平成11年 8月 9日16時50分
軽 井 沢 測 候 所 発 表
火山名  浅 間 山

浅間山では,8月8日から火山性地震が多くなっており,9日00時20分に火山観測情報1号を発表しました。その後の活動状況をお知らせしま
す。
火口にもっとも近いB点の地震計(火口から南約2km)で観測された8日からの地震回数は次のとおりです。
8月8日00時〜24時  117回
8月9日00時〜06時   59回
06時〜12時   35回
12時〜16時   27回  (速報値)
   
8月8日00時から9日16時までの総回数は238回です。
8日の18時頃からは,1時間に20回程度の多い状態が続きましたが,9日03時過ぎから現在までは,やや減少して1時間5回から10回程度
となっています。しかし,9日00時から16時までの総回数が121回となるなど,7日以前の活動が低いレベルまでは戻っていません。
なお,火山性微動は観測されていません。
軽井沢測候所からの遠望観測では,噴煙の状況にとくに異常は認められていません。本日16時までの観測によると噴煙は白色,噴煙量は1(きわ
めて少量),噴煙の高さは100mで大きな変化はありません。
今後も火山活動に変化があった場合は,火山情報でお知らせします。


火 山 観 測 情 報
第 1 号
平成11年 8月 9日 0時20分
軽 井 沢 測 候 所 発 表
火山名  浅 間 山

浅間山の火山性地震が増加しています。 
浅間山では,昨日8日から火山性地震が多くなっており,火口にもっとも近いB点の地震計(火口から南約2km)で観測された8日23時までの地
震回数は次のとおりです。 

8月8日00時〜06時    6回
 06時〜12時    8回
    12時〜18時   17回 
     18時〜23時   81回  (速報値) 

8月8日00時〜23時までの総回数は112回です。 また,8月1日〜7日までの日合計回数は,1日7回,2日9回,3日10回,4日11
回,5日8回,6日5回,7日8回でした。

浅間山は,平成8年(1996年)から平成9年(1997年)にかけて地震回数が月合計 500〜1000回程度と活発な状態になった後,平成9年(1997年)後
半から比較的低い活動レベルとなり,最近の月合計回数は 100回前後,日合計回数は数回〜10回程度で推移していました。昨日から地震回数が増
加し,日合計回数が100回を越えたのは,平成8年(1996年)12月7日以来となりました。 
なお,火山性微動は観測されていません。 
また,噴煙については8月4日以降雲により山頂が見えず,噴煙の状況も不明ですが,現在までに噴火やその他表面現象の異常は確認されていませ
ん。
今後も,火山活動に変化があった場合は,火山情報でお知らせします。


定 期 火 山 情 報 第 7 号 平成11年7月12日10時 軽井沢測候所発表 火山名 浅 間 山 1.概況 6月の浅間山は,引き続き地震活動・噴煙活動ともとくに目立った活動の変化はなく, 比較的落ち着いた状態でした。 7月に入ってからも,噴煙活動に変化はなく,地震回数も少ない状態が続いています。 2.遠望観測 6月は,悪天等のため山頂の見えなかった日が13日間ありました。 観測可能であった17日間のうち噴煙なしの日が6日あり,噴煙が観測された11日間 の結果(日最大値)は次のとおりです。     噴煙の色:すべて白色。      噴煙の量:2(少量)が1回,その他は1(きわめて少量)以下。     噴煙高度:400mが1回,その他は200m以下。 6月は,下旬を中心に観測できない日がやや多くなりました。観測可能日数は少なかった ものの,噴煙量3以上はなく,一方噴煙なしの日数が6日 間とやや多いなど,期間全体としてはやはり噴煙量は少ない状態でした。 3.震動観測 6月の地震回数は,月合計でみると火口にもっとも近いB点が60回,基準観測点である A点が8回で,5月の月合計(B点46回,A点21回) と比べるとB点でいくぶん多くなりましたが,全体としては地震回数が比較的少ない状態 に大きな変化はありませんでした。 B点の日別回数でみても期間をとおして平均して少なく,急増するような変化はまったく みられませんでした。日回数が10回を越える日はなく, もっとも多い日でも14日の7回でした。 地震の大きさについては,基準観測点のA点で最大振幅が 1.0マイクロメートル以上のやや大き い地震が,20日に1回だけ観測されました。これ以外 は,すべて 0.4マイクロメートル以下の小さいものばかりでした。 火山性微動は,観測されませんでした。 4.現地観測 6月28日と7月1日に浅間山周辺の湧水の水温,pH等の観測を実施しましたが,従来 の観測値に比べ大きな差異はなく,各観測点ともとくに異 常は認められませんでした。
定 期 火 山 情 報 第 6 号 平成11年6月10日10時 軽井沢測候所発表 火山名 浅 間 山 1.概況 5月の浅間山は,引き続き地震活動・噴煙活動ともとくに目立った活動の変化はなく, 比較的落ち着いた状態でした。 6月に入ってからも,噴煙活動に変化はなく,地震回数も少ない状態が続いています。 2.遠望観測 5月は,悪天等のため山頂の見えなかった日が7日間ありました。 観測可能であった24日間のうち噴煙なしの日が8日あり,噴煙が観測された16日 間の結果(日最大値)は次のとおりです。      噴煙の色:すべて白色。  噴煙の量:2(少量)が2回,その他は1(きわめて少量)以下。 噴煙高度:300mが1回,その他は200m以下。  5月は,噴煙なしの日が8日間とやや多いなど,期間をとおして噴煙は少ない状態 で経過しました。また,噴煙量3以上も4月に続いて観測され ず,とくに異常な変化は認められませんでした。 3.震動観測  5月の地震回数は,月合計でみると火口にもっとも近いB点が46回, 基準観測点であるA点が21回で,4月の月合計(B点47回,A点7 回)と比べるとA点のみやや増加しましたが,全体としては地震回数が 比較的少ない状態に大きな変化はありませんでした。 B点の日別回数でみ ても平均して少なく,もっとも多い日は3日と24日の5回で,地震なしの 日も9日間ありました。3日にA点での回数が13回とやや多くなって いるのは,浅間山南麓のA点に近い所で発生した地震があったためで,4日 以降はこの南麓付近での地震活動は観測されていません。  地震の大きさについては,基準観測点のA点で最大振幅が 1.0マイクロメートル 以上のやや大きい地震が,3日に1回だけ観測されました。このほか は,すべて 0.4マイクロメートル以下の小さいものばかりで,とくに目立った大 きな変化はありませんでした。     火山性微動は,この期間も観測されませんでした。 4.現地観測     5月31日に浅間山山頂火口の現地観測を実施しました。火口 底の噴気孔の規模や分布および温度測定値は,前回(昨年10月)の 観測時と比べて大きな変化はありませんでした。また,火口内の地形等 の状況や火口周辺にもとくに異常な状態は認められませんでした。なお,火 口周縁部では今回も火山ガスによる刺激臭が観測されています。   このほか,弱い噴気活動がある西前掛山においての噴気温度測定, 湯の平下の地獄谷においての地中温度測定,湧水の水温・pH測定, 火山ガス濃度測定等も実施しました。いずれも従来の観測値に比べ大きな 差異はなく,異常な変化は認められませんでした。
定 期 火 山 情 報 第 5 号 平成11年5月10日10時 軽井沢測候所発表 火山名 浅 間 山 1.概況 4月の浅間山は,引き続き地震活動・噴煙活動ともとくに目立った活動の変化はなく,比較的 落ち着いた状態でした。 5月に入ってからも,噴煙活動に変化はなく,地震回数も少ない状態が続いています。 2.遠望観測 4月は,悪天等のため山頂の見えなかった日が8日間ありました。 観測可能であった22日間のうち噴煙なしの日が8日あり,噴煙が観測された14日間の結果 (日最大値)は次のとおりです。     噴煙の色:すべて白色。      噴煙の量:2(少量)が4回,その他は1(きわめて少量)以下。     噴煙高度:500mが1回,その他は400m以下。 4月も噴煙なしの日が8日間とやや多いなど,期間をとおして噴煙は少ない状態が続きました。 また,噴煙量3以上も観測されず,とくに異常な変化は認められませんでした。 3.震動観測 4月の地震回数は,月合計でみると火口にもっとも近いB点が47回,基準観測点であるA点 が7回で,3月の月合計(B点83回,A点10回)と比べてもさらに回数は減少しました。 この期間も地震回数が比較的少ない状態に変化はありませんでした。B点の日別回数でみても, 急増するような変化は期間をとおしてまったくなく,平均して少ない状態でした。地震 なしの日も8日間あり,日回数がもっとも多かったのは28日の6回でした。 地震の大きさについては,やはり目立った変化はなくすべて小さいものばかりで,基準観測点 であるA点の最大振幅がもっとも大きいものでも 0.5マイクロメートルでした。 火山性微動は,この期間も観測されませんでした。 4.現地観測 4月27日に浅間山周辺の湧水の水温,pH等の観測を実施しましたが,従来の観測値と大き な変化はなく,各観測点ともとくに異常は認められませんでした。
定 期 火 山 情 報 第 4 号 平成11年4月12日10時 軽井沢測候所発表 火山名 浅 間 山 1.概況  3月の浅間山は,引き続き地震活動・噴煙活動ともとくに目立った活動の変化はなく,比較 的落ち着いた状態でした。  4月に入ってからも,噴煙活動に変化はなく,地震回数も少ない状態が続いています。 2.遠望観測  3月は,悪天等のため山頂の見えなかった日が6日間ありました。  観測可能であった25日間のうち噴煙なしの日が17日あり,噴煙が観測された8日間の結果 (日最大値)は次のとおりです。     噴煙の色:すべて白色。      噴煙の量:すべて1(きわめて少量)。     噴煙高度:200mが2回,その他は100m以下。       3月も期間をとおして噴煙の少ない状態が続き,とくに噴煙なしの日は月間の半分以上となる 17日間もありました。また,噴煙量2以上も観測 されず,月別最大噴煙量が1(きわめて少量)であったのは,93年9月以来でした。 3.震動観測  3月の地震回数は,月合計でみると火口にもっとも近いB点が83回,基準観測点であるA点が 10回で,2月の月合計(B点110回,A点1 3回)と比べてわずかに減少した回数となり,とくに大きな変化はありませんでした。  97年6月以降の地震回数が比較的少ない状態は,この期間も引き続きました。    B点の 日別回数でみても平均して少ない状態で,地震な しの日も下旬を中心に4日間ありました。2月上旬の微増程度の変化もなく,もっとも日回数が多 かったのは2日の8回でした。  地震の大きさについては,基準観測点のA点で最大振幅が 1.0マイクロメートル以上のやや大 きい地震が,2日に1回だけ観測されました。このほか は,すべて0.3マイクロメートル以下の小さいものばかりで,とくに目立った大きな変化ではあり ませんでした。  火山性微動は,この期間も観測されませんでした。
定 期 火 山 情 報 第 3 号 平成11年3月10日10時 軽井沢測候所発表 火山名 浅 間 山 1.概況     2月の浅間山は,引き続き地震活動・噴煙活動ともとくに目立った活動の変化はなく, 比較的落ち着いた状態でした。     3月に入ってからも,噴煙活動に変化はなく,地震回数も少ない状態が続いています。 2.遠望観測     2月は,悪天等のため山頂の見えなかった日が2日間ありました。     観測可能であった26日間のうち噴煙なしの日が3日あり,噴煙が観測された23日 間の結果(日最大値)は次のとおりです。     噴煙の色:すべて白色。      噴煙の量:3(中量)が2回,その他は2(少量)以下。     噴煙高度:400mが1回,その他は300m以下。     2月中旬に噴煙量3が2回観測され,これは昨年11月の1回以来でした。    しかし,それ以外は噴煙なしや噴煙量1の日が多く,全体をとおしては噴煙量が少ない 状態が引き続いており,とくに大きな変化ではありま せんでした。 3.震動観測     2月の地震回数は,月合計でみると火口にもっとも近いB点が110回,基準観測点 であるA点が13回で,1月の月合計(B点93回,A点7回)と比べるとわずかに多くなり ました。しかし,この増加は,最近の地震回数が比較的少ない状態(B点月合計100回前後) の範囲内にあり,大きな変化ではありませんでした。     B点の日別回数でみると,10日前後にいくぶん回数の多い日が続きました。10回 を越える日が2日あり,もっとも多かったのは8日の12回でした。しかし,これも急増とい えるような変化ではなく,中旬以降はまた1日数回程度の少ない状態にもどっています。     地震の大きさについては,基準観測点のA点で最大振幅が 1.0マイクロメートルを越えるも のはなく,すべて小さいものばかりで,やはり目立った変化はありませんでした。     火山性微動は,この期間も観測されませんでした。 4.現地観測 3月4日に浅間山周辺の湧水の水温,pH等の観測を実施しましたが,従来の観測値 と大きな変化はなく,各観測点ともとくに異常は認められませんでした。
定 期 火 山 情 報 第 2 号 平成11年2月10日10時 軽井沢測候所発表 火山名 浅 間 山 1.概況 1月の浅間山は,引き続き地震活動・噴煙活動ともとくに目立った活動の変化はなく, 比較的落ち着いた状態でした。 2月に入ってからも,噴煙活動に変化はなく,地震回数も少ない状態が続いています。 2.遠望観測 1月は,悪天等のため山頂の見えなかった日が8日間ありました。 観測可能であった23日間のうち噴煙なしの日が7日あり,噴煙が観測された16日間 の結果(日最大値)は次のとおりです。 噴煙の色:すべて白色。 噴煙の量:2(少量)が8回,その他は1(きわめて少量)以下。 噴煙高度:300mが1回,その他は200m以下。 1月は,噴煙なしの日が7日間とやや多いなど,期間をとおして噴煙は少ない状態が続 きました。また,噴煙量3以上も12月に続いて観測されませんでした。 3.震動観測 1月の地震回数は,月合計でみると火口にもっとも近いB点が93回,基準観測点である A点が7回で,12月の月合計(B点88回,A点 11回)と比べてほぼ同じ回数となりまし。この期間も地震回数が比較的少ない状態に変 化はありませんでした。 B点の日別回数でみても,期間をとおして平均して少なく,急増するような変化はまった くみられませんでした。この期間も日回数が10回を越える日はなく,もっとも多い日は 21日の9回でした。 地震の大きさについては,基準観測点のA点で最大振幅が 1.0マイクロメートルを越えるものは なく,すべて小さいものばかりでした。 火山性微動は,この期間も観測されませんでした。
定 期 火 山 情 報 第 1 号 平成11年1月11日10時 軽井沢測候所発表 火山名 浅 間 山 1.概況 12月の浅間山は,引き続き地震活動・噴煙活動ともとくに目立った活動の変化はなく, 比較的落ち着いた状態でした。 1月に入ってからも,噴煙活動に変化はなく,地震回数も少ない状態が続いています。 2.遠望観測 12月は,悪天等のため山頂の見えなかった日が8日間ありました。 観測可能であった23日間のうち噴煙なしの日が3日あり,噴煙が観測された20日間 の結果(日最大値)は次のとおりです。 噴煙の色:すべて白色。 噴煙の量:2(少量)が5回,その他は1(きわめて少量)以下。 噴煙高度:300mが1回,その他は200m以下。 月の上旬に観測できない日がいくぶん多かったものの,噴煙量は期間をとおして少ない 状態が続き,噴煙量3以上は観測されませんでした。 3.震動観測 12月の地震回数は,月合計でみると火口にもっとも近いB点が88回,基準観測点で あるA点が11回で,11月の月合計(B点86回,A点9回)と比べてほぼ同じ回数 となりました。97年6月以降の地震回数が比較的少ない状態は,この期間も引き続き ました。 B点の日別回数でみても,急増するような変化はまったくなく,平均して少ない状態で した。日回数がもっとも多い日でも8日の9回でした。 地震の大きさについては,やはり目立った変化はなくすべて小さいものばかりで,基準 観測点であるA点の最大振幅がもっとも大きいものでも 0.4マイクロメートルでした。 火山性微動の発生はこの期間もなく,97年9月の1回以降は観測されていません。 4.現地観測 12月21日に浅間山周辺の湧水の水温,pH等の観測を実施しましたが,従来の観測 値と大きな変化はなく,各観測点ともとくに異常は認められ ませんでした。
1998年の浅間山 月別活動状況一覧表