風吹大池 風吹大池は,白馬大池火山の一部です.溶岩ドームとそれを切っている爆裂火口地形 が新しい.小敷池・科鉢(しなはちの)池などが爆裂火口です.風吹大池は,馬蹄型 崩壊地形と溶岩ドームとの間のくぼみに水が溜まったものです. 風吹天狗原などの湿原に泥炭層があり,その間に厚さ2-5cmの粘土質火山灰が挟まれ ていますが,火山礫がまったくみつかりません.これは遠方(立山?)から飛来した テフラのようです. 結論:風吹大池の爆裂火口は泥炭層より古いらしい.泥炭層の形成開始はだいたい80 00年前頃だろうから,白馬大池火山は完新世火山ではない可能性が濃厚である.ただ し,溶岩ドームの地形が新鮮だから,後期更新世に噴火したと考えられる.推定最後 噴火年代は2万年といったところか. よその火山:八幡平にも同様の爆裂火口があるが,それも周囲の泥炭中に噴出物がな いという.八幡平も完新世火山ではないのだろう. (1997.8.23調査)