三日目(2) 赤いマグマのオーシャンエントリー

 オーシャンエントリーとは、火口から噴き出してきた溶岩が海に注ぐ口のことを、「海への入り口」ということでオーシャンエントリーといってます。だから下の写真のように高温のマグマのせいで大きな水蒸気の柱が立っています。

 マグマがドロドロと流れてくるのですが、この時は地表を流れ下ってきていたのではく、溶岩トンネルというものができていたので、地下を流れていたため地表を流れている姿は見られませんでした。でも、海に注ぐオーシャンエントリーは見えるのでそこにいったわけなのです。

 車を降りてかつての溶岩流の上を1時間以上かけて歩きました。途中から危険地帯となってましたが、アメリカでは自分の命は自分の責任でという考え方なので、覚悟の上危険地帯に足を踏み入れました。

 間近で見るとものすごい迫力です。シュワーという音とものすごい水蒸気。マグマが流れ込んでいるところまでは見えないのですが、足元には爆発の際飛んできたと思われる溶岩片(スパター)がたくさん転がってます。先生にこれ以上近寄るな、この溶岩に当たったら死ぬぞと本気で言われたときには、すごいところに来てしまったなと背中に冷たいものが走りました。

 高温のマグマが冷たい海に注ぐので、たまに小爆発を起こします。そのときに初めて、赤いマグマが見えました。写真に写ってる人たちは命知らずの冒険写真家でしょう。

 この写真はちょうど爆発の瞬間をとらえました。2分に1回くらいこのような小爆発を目の前でしていました。夕方でしたが暗くなるともっとすごいと言うことだったので、僕たちは真っ暗になるまでここに留まることになったのです。

 暗くなると、本当にすごかったです。今までただの白かった水蒸気の柱が真っ赤に燃えています。爆発のときの溶岩片がきれいな弧を描いて飛び出してきます。見えなかった溶岩がいかに真っ赤だったかを思い知らされました。見えないのにあたりが赤く照らし出されています。

 僕たちは時がたつのをすっかり忘れていました。地球の営みをただ呆然と眺めているだけでした。

 すっかり暗くなってからそこを去りました。名残惜しいようにみんな何度も振り返りながら。そのせいでしょうか、真っ暗な道なき道をあるっていた僕たちは、方向を間違い海に向かって歩いてました。もう少しで崖から落ちるとこだった。

 そういえば、途中で見上げた星空はすごかったなあ。あんな星空は見たことがなかったなあ・・・・

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