12.27 Pohoikiの海岸温泉(金井正徳)

 12月27日堀越さん・長井君・星君・金ちゃん(私)は、休息の一日を過ごした。その日の予定は、まずボルケーノハウスかビジターセンターに行き、堀越さん携帯のビデオカメラの充電をする。そして、ハイウエイをとばして温泉にいく。なにしろ、ハワイに着いた日にホテルでシャワーを浴びて以来、まだ一度も体を洗っていない。それに、昨日Ocean entryを見に行き、雨と汗にまみれたからだだった。

 私はハワイの温泉(Pohoikiの海岸温泉)のことを話で聞いていただけで、ガイドブックの写真などは見ていなかったので、想像もつかなかったが、「日本の温泉とあまり変わらないだろう。アメリカだからちょっと広いだろうけど・・・。」と思っていた。そのようなことを思いながら、ドライバー堀越さんの助手席で地図を片手にナビをしていた。

 車の後ろの方からは、長井くんと星君がはじめての外国”ハワイ”で触れたこと、ものに驚きの声を上げていた。車内では、それぞれがハワイで感じたこと思ったことを思いついたときに話し、盛り上がった。長井君は車が好きで、彼が好きな日本車を見つけるたびに、「オオオ エスクードだ。ゼットも走ってる。」と喜ぶ。星君は、今まで見てきたキラウエア火山に関すること、昨日見た赤い溶岩のこと、日本での星君の生活やその状況、おみやげは??さんに買うなど、多岐に渡っていた。

 このような話を楽しんでいる間にハイウエイを走りきり132号に入った。132号の両わきには大きな木が1列にそびえ立っていた。その木の向こう側は森となっている。132号から、最初のわき道(といっても132号がカーブしているところで、そのわき道はそのまままっすぐの道路なので、あまりわき道という意識はなかったが・・。)に入る。わき道に入ると道幅が車がやっとすれ違えるくらいしかないので、やっぱりわき道だと確信できる。本当に海まで続いているのかと思うほどだ。

 Isaac Hale Beachにでると、ホットドッグ、サンドイッチ、ドリンクを売る移動式(バスを改造している)のお店が目には入った。そのバスの手前を右に曲がり、ニワトリの放し飼い?!(まさに、庭にいるトリ)をしている家を木の向こうに見て車を止めた。キャンプ生活のため車のトランクに荷物をいっぱい積んでいたので、盗まれやしないかとドキドキしながら着替えた海パン姿で、貴重品を少し持って温泉に向かった。

 車を止めたところの雰囲気は、怪しかった。地元の車はぼろぼろで、その車に乗る人の腕には入れ墨がある。サーフィンのボードを持ってぺたぺたとサンダルで歩く。時間が経つと、アメリカはこういう雰囲気のところかと思ったがどうなのだろう。

 温泉の場所が分からなかったので、とりあえずビックアイランドの地図に書いてあったとおりの方向に進んだ。さっき見えたニワトリの飼い主らしきおじさんが、あまり英語の分からない僕らに向かって、すばやく「!”#$%&’+*`?」と教えてくれた。おじさんの手がある方向を指していたので、多分あっちに温泉があるのだと私は考え、すばやい英語は「君たち!温泉に行きたいのかい?それならこの道をまっすぐだよ。」といったに違いないと思った。私は、このおじさんが極めて「うさんくさい」感じがした。なにしろ聞いてもいない温泉の行き方を教えてくれたので。

 障害走かと思うほど、木がやたらに倒れていた道を数百メートル歩くと、地元の少年が木の上から飛び込む池があった。みんな「ここだ!!」と思った。さっそく、荷物をおいて温泉に入る。その温泉は直径6m位の大きさで、湯気があがるほど熱くなく、温水プールのようだった。(もし、ハワイに日本の冬のような気候があったならこの温泉は冬期閉鎖だな。寒くて入ってられない。)また、温泉の温度だけでなく、深さもプールのようだった。立ってお湯につかる。座って入浴しようものなら、水没である。が、温泉のはじっこの方には、ちゃんとラバ製のいすが自然とできていたので座っても入浴できる。温泉水は少し塩味。かといって、海のような塩辛さはない。底は砂やレキで、裸足で入っても痛くない。温泉のまわりを囲んでいるラバには注意した方がいい。足の裏を切りそう。それに、ここは混浴といっても水着着用。裸で泳いでいるのは、ずっとこの温泉で暮らしている赤い海老ちゃんだけだった。

 温泉で、地元の人とフレンドリーになりたい長井君と星君は、飛び込みをしていた地元の少年に、今までやってきた受験英語をぶつける。

長井「ふぁっと ゆーあ ねーむ?」

地元の少年「・・・・・」

長井「あいむ たかゆき ながい」

地元の少年「Richard」

星「はう おーるど あー ゆー?」

地元の少年「・・・・・」

星「あいむ 21」

地元の少年「I'm ten」

 地元の少年の去った後、アメリカ人の家族ずれが温泉にきた。さっき地元の少年と会話をした成果を星君が発揮する。

星「I'd like to take a picture. all of us.」家族の一人「sure.」

 そんなこんなで、みんなで温泉につかりながら”ぱちり”である。みんなで、気持ちよい一時をすごすことができた。