12.29 全米ナンバー1というハプナビーチ(堀越郁夫)

 1997年の11月から12月にかけてJALのハワイ島キャンペーンのCMで、『全米ナンバー1に選ばれた…』といわれていたのが、ハプナビーチだ。今回の旅のリゾート班・班長を自認する私としては、是非ともここでリゾート気分を満喫したかったのだ。私は、2日間にわたって、違うメンバーで訪れた。

全米ナンバー1の実力

 ハプナビーチパークは州立公園だ。駐車場は数十台がとめられるものが斜面の数カ所にある。料金はタダ。1日目は混んでいてなかなかとめられなかったが、2日目はすんなりと浜に近い場所にとめられた。更衣室とシャワーの付いたトイレが何か所もある。コンクリートと石で素っ気なく作ってあるのに、センスがいい。肝心のビーチは、エメラルドグリーンの海と白い砂浜のコントラストが美しい。ヤシの木もいい雰囲気だ。さすが全米ナンバー1と感心。海というと大洗海岸や九十九里を連想してしまう私には、数百mの海岸は少々もの足りなかったが。人気が出てきているためなのか、人が多すぎるようにも感じた。

更衣室は怖い?

 ハワイのガイドブックの『ビーチパークは危ない。』という文がまだ頭に引っ掛かっていて、更衣室に入るのが怖くて、東屋の壁と茂みの間で海パンに着替えた。が、パンツを脱いだ状態なんて、一番無防備で危なかったかな?2日目には更衣室を利用したが、なんの問題もなく快適だった。

ここはハワイ?

 1日目、星君、小島さん、武井さんは、波打ち際で砂遊びを始めた。星君が横になり、砂を乗せられている。彼は砂の像になりつつある。通りかかった早川先生も、喜々として加わり、星君に大きなバストをプレゼントした。日本の海岸で見られるような光景に、私は、周囲の外国人や、椰子の木などでここがハワイであることを確認しなければならなかった。

私は絶対、ウミガメを目撃した

 一日目、岸から30mほどのところを泳いでいた私は、白い砂の海底に、黒い岩のようなものがあるのに気が付いた。「やっぱり白い砂の下には黒い溶岩があるのだな」と思っていると、それがゆらゆらと動き出したのだ。「?!」一呼吸おいて、それがウミガメだということが理解できた。近くにいた早川先生、武井さん、星君に知らせ、写真におさめようと後を追ったが、意外にも速く、見失った。他のメンバーはだれもみていない。早川先生などは、「本当にカメだったの?自分の影を見間違えたんじゃない??」と疑う目付き。近眼で、水中眼鏡もなかったけど、あれは絶対カメだったのだ!

大波がちょっと怖い

 空港などに置いてあるフリー・ペーパー『ビーチ・アンド・アクティビティー・ガイド』は、英語だが、ビーチの情報を得るのにとても役に立つ。これによると、ハプナビーチは波が高いとある。一日目は、遊ぶのにちょうどよい波だったが、2日目は余りにも大きな波で怖かった。頭の上から崩れてくる波の威力にもまして、引き波が、川の激流のようで、岸から離されそうになる。

ライフセーバーはカッコいいぜ!

 2日目、余りの波の強さに圧倒された私は、浜に上がって、ぼーっと波を見ていた。と、大波が寄せては返すその波間に、頭が一つ浮いている。浜からはかなりの距離で、波にもてあそばれてなす術がない感じだ。危ない!立上がり近くまで私が走っていくのと、ライフセーバーが助けに走るのと同時だった。ライフセーバーは海に飛び込むと見るまに、波間に浮く頭のところまで泳ぎ着いた。近くにいたボディボーダーも救助に加わった。安心したのも束の間、海中に突き出している岩礁に叩き付けられそうだ。ライフセーバーは溺れそうになった人をうまく誘導し、岸まで戻ってきた。“Good job!!”なんて声も掛かる。溺れそうになった人も命に別状はなさそうだ。

 助けてもらったからといって、救助代なんてものは請求されない、らしい。氏名とどこからきたかを聞かれ、「気を付けて!」というようなことをいわれて無罪放免になる、らしい。後でお礼にと、ジュースなどを差し入れようとしたが、受け取らない、らしい。まったく、ライフセーバーはカッコいいのだ!こんなところも、全米ナンバー1ビーチに選ばれる理由の一端なのかもしれないな。でも、くれぐれも大波には注意を。