北海道の17世紀以降テフラ/レス層序

北海道のいくつかの火山では,17世紀以降大きな噴火が頻発している.噴火の時間差が20年以上あるテフラとテフラの間にはクロボクが挟まれている.時間差が10年以内だとクロボクは認められない.時間差が1年以内だと,時間差が存在することすら認めにくい.

有珠山1977火山灰の表面 噴火から6年たつと,裸地にも草本の芽生えが見られる.1983年8月撮影.(洞爺湖北岸)

有珠山1978/1977 この地点の1977年軽石と1978年火山灰の間に1年の時間が経過した堆積学的証拠を認めることはむずかしい.1991年10月10日撮影.(北海道有珠山南山腹)

有珠山1853/1822 1822年火山灰と1853年軽石の間に厚さ1cmのクロボクが挟まれている.31年間の時間の存在を示す堆積学的証拠である.(伊達市上長和町)

有珠山1822/1663 1663年火山灰と1822年軽石の間に厚さ2cmのクロボクが挟まれている.159年間の堆積物である.(伊達市上長和町)

樽前山1667/有珠山1663 有珠Us-b軽石(1663年)と樽前Ta-b軽石(1667年)の間には,表面流水の痕跡をわずかにもつ灰色シルト層が挟まれている.これは,Us-b軽石の直後に降下した火山シルトである.(北海道平取町川向)

有珠山1663/北海道駒ヶ岳1640 有珠山1663年火山灰は厚いクロボクの上に堆積している.その基底の下0.5cmに,白色の北海道駒ヶ岳Ko-d火山灰(1640年)がレンズ状にみつかる.(伊達市西関内町)

北海道駒ヶ岳1856/1640 北海道駒ヶ岳Ko-c2軽石(1640年)の最上部5cmの軽石間の空隙は茶褐色の泥質物質で埋められている.これは噴火直後に発生したラハールの堆積物である.厚さ3cmのクロボクを挟んでその上にKo-c1火山灰(1856年)が重なる.(北海道鹿部村出来【さんずいに間】崎)