噴煙から降下するテフラ
Tephra Fallout from Eruption Clouds
 
 鬼界カルデラから7330年前に噴出したアカホヤ火山灰(M7.8)は,九州一帯でクロボク層のほぼ真ん中に黄褐色の帯として認められる.
(熊本県阿蘇町大観峰; Akahoya ash at Aso)
 アカホヤ火山灰(Ah)が,自分自身を発生させた幸屋火砕流の堆積物(Koya)を直接覆っている.火砕流堆積物の下には,直前のプリニー式プリュームから降下した軽石(plin)が堆積している.この写真のような,第三層/火砕流堆積物/プリニー式降下軽石の重なりを明確に認識できる露頭の数はそう多くない.

 アカホヤ火山灰の基底のオレンジ色部分は火山豆石が濃集した層.アカホヤ火山灰の上には,厚さ3cmのレスを挟んで,6600年前の池田軽石(IK,M5.7)がのっている.
(指宿市; Koya ignimbrite and its layer 3, Akahoya ash)
 フィリピン・ピナツボ火山 の1991年6月15日噴火で降下したこのテフラは,火砕流が流れるのと同時に火口からプリニー式噴煙柱が立ち上がったために生じたとする考えもあるが,火砕流サーマルからの降下物であるとみることも可能である.単調な級化層理が認められることに注意. 
(Pinatubo, Philippines; Fallout on Jun 15, 1991)
 ピナツボ火山の上に立ちあがった1991年6月12日のきのこ雲.
(現地の路上で販売されていた写真)