ラハールの堆積物
Lahar Deposits
 
 氷と火山の島アイスランドでは,氷河の一部が火山の熱でとけて湖が氷体のなかにしばしばつくられる.やがてそれは決壊して大規模な泥流となって流れ下る.アイスランドの人々は,これをヨークルフロイプ(jokulhlaup)とよんで恐れている.
 氷河に覆われた山頂をもつカトラは,ほぼ50年おきにヨークルフロイプを発生させている.
 ヨークルフロイプは地表を覆う植生ややわらかい土壌を運び去り,堅い溶岩流の表面に傷をつける.
 ヨークルフロイプの堆積物は,比高2m程度の小山はあるが,平坦で水平にちかい地形をつくる.表面には巨礫が散在している.このような地形をサンドルという.堆積物には,水によって急冷されたガラス質の岩片が多く含まれている.(Katla)
ヨークルフロイプの堆積物断面.大小さまざまの粒子からなり,層理をもたない.