大きな火口の中を高温溶岩が満たした状態を溶岩湖 (lava lake) という.地下からの高温溶岩の供給が止まると,溶岩湖は表面と器に接した部分から冷却しはじめるが,全体が固化臨界温度に達するまでに,ふつう数年以上かかる.常温まで冷却するには数十年以上かかる.
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富士山の山頂火口が溶岩湖で満たされていた時代がかつてあった.のちの爆発でその痕跡の過半は破壊されたが,垂直な柱状節理をもつ下に凸の溶岩断面が現在の火口壁にみえている. |
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浅間山の山頂火口の底には,火道を上昇してきた高温溶岩柱の頭がみえることがある.現在は,火口壁から崩落した土砂で埋められて様子が変わってしまっている.
(1979.10.21撮影) |
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キラウエアのハレマウマウ火口壁の中段に見える水位マーク(矢印)は1967-1968年の溶岩湖の痕跡である.
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1986年11月15日から始まった伊豆大島噴火では,地表で激しく火柱を上げるスト
ロンボリ式噴火の陰で,山頂火口内に2300万トンの高温溶岩が地下から注入され
て,そこに溶岩湖をつくった(左上).
その1年後の1987年11月18日早朝,まだ液体だった1400万トンの溶岩は静かに
地下へ戻り,火口の内壁に溶岩の皮を残した.(左下:1987年11月19日撮影,右
下:1994年5月21日撮影) |
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ベスビウス火山の山頂火口にも,かつて火口内を溶岩湖が満たしていたことを示す溶岩の皮が付着している.
(Inside of the summit crater of Vesuvisu, Italy)
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