予約なしで行って,現地でホテルを探すときは,40ドル(4500円)が目安だ.これより安いところだと,プライバシーを守ることが困難だったり,衛生面で問題があったりしやすい.
ただし田舎に行ったときは,格安のホテルを見つけることができる場合もある.
付加価値があれば,それ以上出してもよい.たとえば,サントリニで私は80ドルの部屋に泊まった.ベッドの上からカルデラの中が見渡せる部屋だったから.
まず部屋が空いているかどうか聞く.空いているとの返事だったら,値段を聞いてから部屋を見せてもらう.ふつう鍵を渡してくれるから自分で見に行く.
契約する段になったら,クレジットカードを提示して番号を相手に控えさせるとよい.相手が安心する.このときサインはしない.チェックアウトのときにあらためてクレジットカードを出して金額を入れてもらってサインする.
ホテルによってはクレジットカードを受け付けないところがある.そういったときのために米ドルのキャッシュまたはトラベラーズチェックをもっているとよい.
ギリシャではホテルの客引きをときどき見る.私はミコノス島からロードス島へ飛行機で移動したが,ロードス空港に着いたら22時を少し回っていた.そこで老夫婦の客引きに会った.共通のコミュニケーション手段である英語は,お互いぼちぼちのでき.「クリーンルーム,クリーンルーム」と繰り返す.1泊1万ドラクマ(4000円)だというのはわかったが,場所がよくわからない.車があるから無料ですぐ連れていけるというので,まあ人をだますような人たちには見えなかったから(奥さんが着ていた花柄ワンピースが感じよかったし),ついていった.
案内された部屋は,たしかにクリーンで広かったが,半地下室で窓がとても小さかった.バスルームは専用だが,部屋の外.ひと晩だけなら,まあこれくらいでもいいだろうと思って,23時には床についた.
翌朝,娘さんが朝食を運んでくれた.「ここは市街から遠いから,もう2泊は中心部で宿を取る」と言って1万ドラクマを払った.そしたら,いまから港を散歩するからついでに街まで車で送ってくれるという.親切な人たちだった.空港と市街のほぼ中間のところだったのだ.
うむ.客引きについていくのも悪くないかな.と,思い.中世の城壁に囲まれたロードス市街で部屋を探しているとき,ほおかむりした小さなおばあちゃんが呼ぶので,好奇心で付いて行ってみた.しかし,通されたのはとてもきたない部屋.部屋の隅にゴミが積み上げてあった.早々に「ノーサンキュウ」と言って退散した.
客引きと交渉するのはおもしろいけど,やっぱりリスクが伴います.