真夏の平ヶ岳は,暑くて長いアプローチ 1999.8.3-8.4

鷹の巣登山口から登り始めると,まもなく燧ヶ岳が南東に見える.渋沢源頭部の崩壊地がこちらを向いている.頂上の右耳が柴安クラ(2356m),左耳がマナイタグラ(2346m).手前には,35万年前のモーカケ火砕流の堆積物がつくる平坦な台地が広がって,渋沢大滝がかかっている.

台倉清水の水場は,冷たくておいしい.白沢清水は登山道脇で便利だが,わずかに流れているだけ.平ヶ岳山頂北の平ヶ岳沢源頭にも水場がある.飲み物を冷やせるくらいの水量がある.そばにテントが張れる.

姫の池から見た平ヶ岳山頂の平坦面(2140m).

平ヶ岳はほとんどがカコウ岩からなる山だ.平坦面の上に広がる湿原がつくった泥炭層はあまり厚くなく,20-40cmほどしかない.その基底の1cm上には厚さ0.5cmの火山灰がある.ホルンブレンドを含まず紫蘇輝石をたくさん含むことから,完新世の浅間山の噴火によるものだと考えられる.同様の火山灰は,苗場山平標山,巻機山にもある.

真夏の快晴の登山のあと,こういう清水で全身水浴びするのはたいへん気持ちよいものだ.