三宅島の地下
酒井慎一さん(東京大学地震研究所)が作成してウェブで公開している三宅島雄山の地震活動に,早川由紀夫(群馬大学教育学部)が地形と噴火の情報を加筆しました.(7.22.0840)
早川の読図と解釈
- 三宅島山頂直下のやや南寄りに,直径1.5kmほどの震源が集中する円柱があり,海水準から下がって2.5km程まで達している.→過去の噴火でつくられた中心火道の内部が徐々に破壊しているのだろう.島の南よりに偏っていることは,島北部よりも島南部の揺れが頻繁で大きいとの現地報告(さだぞうさん@坪田)とよく符合する.
- 7.17現在,山頂にある直径1.0km,深さ0.6mほどの火口は,この円柱と地表交点より北側に開口している.
- 深さ0.5km付近で円柱から西上向きに震源集中の小枝が出ている.3000年前に形成した桑木平カルデラの側壁に沿っているようにもみえるが,南西方向の二男山(側火山)へだけ伸びているにすぎないようだ.→新しい桑木平カルデラができてしまう心配は,まだいらないだろう.
- 深さ2km付近で,円柱から西に向かってほぼ水平に震源集中の太い枝が出ている.→マグマがダイクとして北西進しているのだろう.
- 7.8.1841火山灰放出の数時間あと,地震回数が減少し,震源が浅くなった.
- 7.14.0414から7.15.1300まで33時間続いた火山灰放出の期間中,地震回数の現象がみられた.
- 防災科技研の傾斜計にみられる山沈みの傾向はいまも続いているらしい.