遅すぎた29日20時の避難勧告全面解除のあと,東京都は30日16時に災害対策本部を解散しました.平成12年6月29日18:00 気 象 庁三宅島の火山活動に関する火山噴火予知連絡会(伊豆 部会)コメントに,「なお、西方海域での地震活動はしばらく活発に続くと考えられることから、地震活動に対する注意が必要です」とあるにもかかわらず,です.これはあきらかに早すぎた解散です.
翌1日1601に,神津島近海でM6.4の発震があり,神津島で震度6弱の揺れが生じました.これによる崖崩れでひとりが死亡しました.その日のうちに,東京都知事は自衛隊の派遣を要請したそうです.
きのうのM6.4が,26日夕刻から三宅島で始まった貫入事件と無関係であるはずがありません.三宅島の地下を西に走ったマグマがこの地震を起こしたわけではありませんが,三宅島貫入事件と神津島近海地震は密接な因果関係をもっていると考えられます.30日の都災害対策本部解散は早すぎたと,言えます.
現時点でわたしが入手している情報は不十分ですから確かなことを言うことはできませんが,震度6弱の地震のあとの都と国の対応は,今度は逆に過剰になっている疑いがあります.災害監視業務と災害対応業務のあいだの意志疎通が決定的に不十分であることが,今回の三宅島と神津島であきらかになりました.話し合いがもっと必要です.(1015)