7.10(月)

FNN噴火映像 きょうのFNNではじめてみた7.8.1941噴火の画像.これまで公開された噴火画像の中で,いちばん真っ黒だ.FNNは昨日27時間のおまつりをしていたので,ニュースをいつやっているのかわからなかった.

地形図では 国土地理院5万分の1地形図上ではこのようになると思います.これも概略図です.クリックすると大きくなります.

9日朝,空と陸から調査した中田さん@東大が,直径800メートル,深さ100〜200メートルとおっしゃったようですが,ほぼその通りだと思います.したがって,欠損質量はおよそ2億トンとなります.これは,1983年噴火の噴出量2000万トンより一桁大きい.8日の陥没は,三宅島で,1000年に一回程度しか起こらないまれな地学現象だった.(1710)

ピットクレーターと同じ成因 アジア航測がとったきのうの写真no.3133を見て,失われた部分の概略を国土地理院垂直写真に図示しました.精密図化は,まもなくちばさんがやってくださるでしょう.

山頂813.9mは,かろうじて残ったみたい.テレビの中継塔も残っているみたい.画像をクリックすると大きくなります.

このように,噴出物をほとんどまき散らすことなく,アリ地獄のようにストンと落ちてできた穴を英語ではpit craterといいます.ピットクレーターは,ハワイの火山にたくさんあります.たとえばキラウエアの山頂カルデラ周辺やそこから延びる東リフトゾーン沿いにたくさんあります.たとえば Halema`uma`uKeanakako`i(ハレマウマウ,ケアナカコイ;どちらもUSGSへのリンク).

大円錐火山の中心にあって噴火を何度も繰り返したことがある火口をピットクレーターと呼ぶのはすこしおかしいですが,8日の火口拡大の成因はピットクレーターとまったく同じです.(1405/1635)

噴火は脇役,陥没が主役 8日の噴火が山頂の陥没を引き起こしたのではなく,山頂の陥没が噴火を引き起こしたとみるのがよいです.8日の噴火は,噴火とはいいたくないくらいの噴火でした.これを(台風の雨が悪さして起こった)水蒸気爆発だというのは,あんまりよい表現だとはいえない.水蒸気爆発ではふつう,熱水変質した粘土が降ります.三池に降った火山灰はそういう粘土ではなかったようだ.陥没で舞い上がったホコリが降った.(1150)

三宅島-神津島2000年地変のわかりやすい解説をまとめました.

垂直写真 アジア航測ちばさんのページに,すっかり変わってしまった三宅島山頂の垂直写真があります.ちばさん,一般の方には,斜め写真のほうがわかりやすいんだけど.それから,変化前の国土地理院垂直写真に陥没領域を図示してほしい.う〜ん,国土地理院と利害関係のない大学人がやるべきことかな?(0740)