8月25日朝,三宅島で新聞をとっている約600世帯に,朝刊に挟み込まれて届けられたチラシ
島民の皆さんへ
これから申し上げることは、皆さんを恐怖におとしいれることになるかもしれませ
ん。
どうぞ落ち着いてこれを読み、身を守るため、ご自身で判断して行動してください。
■8月18日の大噴火で降ってきた石は、命を奪うほど危険な大きさでした
8月18日の大噴火で、大量の灰が降りました。 しかし降ったのは灰だけではあり
ません。小石に混じってかなり大きな石も降りました。
阿古と伊ヶ谷の間の都道の上には、一抱えもあるような大きな岩が飛んで来て都道
にめり込みました。阿古の鉄砲場の下(ミロー化粧品のあたり)にも、直径8センチ
ほどの石、その他、三池坪田地区でも、5〜6センチクラスの石がたくさん発見され
ています。
石はとても高いところ(どう少なく見積もっても数千メートル)から落ちてきま
す。
ものすごいスピードと破壊力です。
皆さんは坪田で何十台もの車が、ガラスを割られているのをご覧になりましたか。
車のガラスは強化ガラスと言って、とても丈夫に出来ています。それが破壊されるほ
どですから、どう少なく見積もっても金づちで思いきりたたかれるほどの衝撃は覚悟
しなければなりません。
2センチクラスでも頭に当たれば即死です。 5センチクラスならヘルメットも役
立たないでしょう。 運がよければ大怪我で住みますが、即死の可能性のほうが高い
です。
■多くの専門家が、次に噴火が来たら島は危険だと言っています
火山噴火予知連絡会も、21日の発表で「今後も、18日と同程度かこれを上回る
程度の噴火が繰り返される可能性があります。」といっています。今回死傷者が出な
かったのは奇跡的だったと専門家は言っています。
次に噴火が来たら大変なことになるかもしれないと、多くの専門家が言っています。
これだけの石が降ったため、気象庁や予知連絡会も、とうとう今回の発表に、石が
降ったということをいれざるを得なくなりました。予知連の会長も、そのあとの記者
会見で、「当たれば死ぬ」とはっきりいっています。
しかしマスコミはこれらの事実をあまり大きく報道していません。
■今すぐ、避難できる人には自主避難を勧めます。
私は村長に対して、村長自身による全島避難勧告を強く迫りましたが、とうとう首
を縦に振りませんでした。
その後村長は都に対して全島避難を要請したが、拒否されたと報道されています。
ほんとうにこのままでは死人が出る、と私は心配します。
もし村と都が全島避難を勧告しないのならば、みなさん、少なくとも御年寄りや子
供などを、すぐに島外に避難させてください。私自身すぐにも逃げたいのですが仕事
があるため、それを放棄するわけにも行かないのです。
仕事を持っていない方はすぐ島を出たほうがいいと思います。
次の大噴火は起こるかもしれません、起こらないかもしれません。
これを読んで「たしかに危険だ。」と思った方は行動を起こしてください。
「大丈夫だ」と思う方は無視してくださって結構です。 このチラシのことは忘
れてください。
もしかしたら私は大嘘つきと、ののしられるかもしれません。
それを覚悟で書いています。
坪田 渡辺義宗