新しいシナリオ


三宅島シナリオ

現在異常状態にある三宅島で,これから起こる可能性がすこしでもある噴火を思いつく限り下に書き出します.これらすべてが上から下に向かって順にかならず起こるなどと誤解しないでください.これらのシナリオひとつ一つの発生確率を評価してみました.一般論としては,小さな噴火が起こる確率は大きいです.大きな噴火が起こる確率は小さいです.しかし現在までの三宅島異常の経緯を踏まえて火山学的考察をすると,個別事例として特徴的に起こりやすいシナリオが抽出できるのではないかと考えられます.結論は,火山学者ひとり一人によってかなりちがうと思われます.唯一の真理は存在しません.未来予測は確率事象ですから.にもかかわらず,複数の火山学者の意見をここに陳列することが,防災を実現するために有効であろうと私は考えています.(この段落は,2000.7.30.0830加筆)


火山学者の見方

早川 ひできち 小山 早川2 ひできち2
雄山火口
done
done
done
done
done
八丁平火口
done
done
dene
桑木平カルデラ
火山灰数日 ×
done
done
done
火山灰数週間
火山灰数ヶ月
火山灰数年 ×
火口内に水湖
溶岩湖と溢れ出し × × ×
スコリア丘 × × ×
弱い火砕流(サージ)
done
done
done
強い火砕流(サージ) × ×
山腹割れ目から溶岩 × × × ×
海岸部にマール × × × ×
三宅島外で大事件
7.16.0930 7.16.1523 8.16.0956 8.16.1910 8.16.1720

記号は発生確率.◎ > 20% > ○ > 5% > △ > 1% > ×
doneは,その時点ですでに実現していたシナリオ
 
早川:早川由紀夫,群馬大学教育学部助教授(火山学)
ひできち:伊藤英之,財団法人砂防・地すべり技術センター総合防災部
小山:小山真人,静岡大学教育学部助教授(火山学)
 
火山学者の方へ:
個人の見解を私にメールで教えてください.ここに掲載します.もっとよい評価方法があったら教えてください.なおここでいう火山学者とは,日本火山学会で論文発表したことがある方といった程度の意味に解してください.大学院生からのメールも歓迎します.
hayakawa@edu.gunma-u.ac.jp

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