▼危険現場に接近しようとする人が,火山学の最新知見を十分にマスターしているならかまわない.危険の内容と程度を正確に知っているのならかまわない.どうぞお仕事をお続けください.これがきょうの私の結論です.(1800)
▼有珠山はいまとっても危ない状態にあります.この危険状態は,気象庁が言うように,あと10日くらい継続します.こういうことが起こるのが心配なのです.気象庁がいう「爆発的噴火」は,この噴煙の柱のことです.専門的にはプリニー式噴火と言います.この噴火は,アメリカ・ワシントン州のセントヘレンズという火山で1980年5月18日に起こりました.この噴煙の柱は,わずか13分で高さ25kmまで上昇しました.しかし,10日たっても起こらないかもしれません.10日間厳重な警戒を続け,もし起こらなかったら,「起こらなくてよかった」と胸をなで下ろせばいいじゃありませんか.起こらない方がいいに決まっている.なぜ10日かって,それはうまく説明できません.でも,(有珠だけでなく世界中の火山の)過去の事例からして10日がたしかにヤマだと思います.リンクはUSGSとVolcanoWorldへ(1700)
▼朝日新聞だけでなく,読売新聞も北海道新聞も日本経済新聞もヘリによる近接写真を堂々と載せるようになってしまった.けさの私の顔は暗い.朝日新聞(記事ページ・写真);読売新聞(トップページ・田中成浩撮影の写真);北海道新聞(トップページ・写真);日本経済新聞(共同通信社の写真).高性能機材をもっているからほんとに水平距離5kmを確保していると主張するなら,その性能と飛行ルートを紙面で説明してほしい.説明責任があるはずだ.再度言う.報道機関による空からの映像は,いま必要ない.(1130) 毎日新聞が写真を掲載したかどうか,いま調べられませんが,毎日新聞は雲仙岳1991.6.3火砕流で三人を失った新聞社だということを,私は知っています.(1740) 洞爺湖温泉に流れ出た泥流の空撮が毎日新聞にのっていますが,十分離れた位置から撮影されたもののようにみえます.(4.10.0730)
▼壮瞥町の壮瞥温泉地区などで,きょうとあす,いずれも10時から一時間の一時帰宅が実現するそうです.その間,警察と消防が警戒にあたり,上空からヘリコプターが監視をするそうです.合理的かつ愛情あふれる決定だと思います.100%安全だとはだれも保証できませんが,気をつけて行ってらっしゃい.(0510)