To: Yukio Hayakawa
Subject: 国道37号は非常に危険だと思います。警告して頂けませんか?
From: Toshiya SAITO
Date: 16 Apr 2000 22:48:52 +0900

早川様

先日メールを差し上げた斎藤です。先日は丁寧な回答を頂き有難うございま
した。

実は、今日(4/16)所用があり、有珠山の麓を伊達市から虻田町まで通ってい
る国道37号を通って来ました。

ご存知のことと思いますが、国道37号は室蘭方面から噴火湾沿いに伊達市
有珠町から虻田町入江町・本町を通って長万部方面をつなぐ国道で、現在は
昼間(9:00〜16:00)の間全面開通していて誰でも車で自由に通行できます。

国道37号が通っている虻田町の入江地区は、現在も活動が続いている西山
山麓の火口域から、結構急な谷間の国道230号をまっすぐ下った地域にあ
ります。火口域からの距離は直線で2km足らずと言ったところでしょうか。
# 230号の現在の火口あたりから37号より山よりの高速道路のインターチェ
# ンジにかけては登り側に登攀車線がある程きつい傾斜です。

実際に37号を通って見るとあまりの近さに絶句してしまいます。

これでは、西山山麓で火砕流や火山灰を含む熱風が発生し海側に駆け下って
来ても、国道37号を通過する車は逃げられません。

仮に事前に西山山麓の噴火等を予知できたとしても、国道37の交通の遮断
と避難が間に合うと言う保証はないはずです。

また、あの近さでは足の早い火砕流だけでなく、火砕流よりは足の遅い泥流
であっても国道37号の車が逃げられるか非常に疑問です。

このままでは、もっとも恐れている人的被害が発生しかねないと思います。

そのような最悪の事態を避けるため、早川さんのサイトで警告して頂けない
でしょうか。

素人の私が、危険だと思う、といくら言ってもほとんど聞いてもらえないで
しょうが、専門家の早川さんならばそれなりの影響力があるのではないかと
思った次第です。

# 私の考えすぎであればもちろん無視して頂ければ結構です。

名前・このメールの公開は御自由にどうぞ。メールアドレスは非公開を希望
します。

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前回、早川さんに論理を完全に追うことができない、と指摘された部分、

Yukio Hayakawa writes:

> ここの斉藤さんの論理を完全に追うことができません.
>
> 「現在の噴火活動の地域であれば、例えば前回程度の噴火や懸念されている火
> 砕流では」という条件が満たされることが証明されれば,「現在の避難地域で
> 十分」であるとする斉藤さんの意見に私も賛成です.
>
> しかし,その条件が満たされることの証明はできないだろうと思います.そも
> そもその条件は成立しえない性質のものだと思います.

ですが、証明とか必ずそうなる、と言った事を考えていたわけでは無く、
「十分に確率が低いだろう」とぼんやりとした前提に過ぎません。
# 何の根拠もありませんが、まあ、規模の大きいものは確率が低いに違いない、
# と思ってました。

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斎藤俊哉


国道37号は,道南バスの定期バスも通っているし,トラックも通っているようですね.斉藤さんのご心配はたしかに当を得たものだと思います.

しかし,そこを通行する人にも生活がかかっています.通行するリスクがどれくらいであるかがきちんと周知されていて,なお通行することによって得られる利益がほしい人には,通行する権利が与えられるべきだと考えます.

このとき問題なのは,通行するリスクがきちんと周知されているかどうかです.これについて,私は情報をいま持っていません.「この先の区間は危険.火砕流や噴石で死ぬかもしれない」などと書いた立て看板があってもよい,いやもっと進んで,あるべきだと私は思います.

また,危険区間の両端で通行量を制限して,渋滞が発生しないようにするなどの配慮がなされることが望まれます.

早川由紀夫(2000.4.17.0830)