洞爺湖温泉の一部,虻田町入江の一部地域のリスク対応試案

洞爺湖温泉の中を流れる川と,内浦湾側の板谷川に,土石流・泥流が発生することは避けられない.長さ2kmを超える地域がひどい土石流に襲われる確率は,27%程度であろう.川の近くに住居をもつ人は,噴火がおさまってからも十年ほどは土石流の危険にたえず注意していないといけない.場合によっては,移転やかさ上げなどを真剣に検討すべきだろう.

ただこの災害は,その発生を予知することがほぼ確実に可能だ.この点が,上に述べてきたリスクと大きく異なる.(とても特別の場合を除けば)土石流は雨が降らないと発生しない.時間雨量15mmを超える雨が降ったときは,土石流に対して厳重な警戒をするべきである.

土石流災害は,適切な対応がとられれば,死者を覚悟しなければならない自然の脅威では,もはやない.

4.22.1430


これは,火山専門家である早川由紀夫個人の意見です.

リスク心理学者吉川肇子さんの著書を紹介している小山真人さんのページをかならず併読してください.