中学校学習指導要領
第4節 理科
第2 各分野の目標及び内容(抜粋)


  [第2分野]

1  目  標

(3)  地学的な事物・現象についての観察,実験を行い,観察・実験技能を習得させ,観察,実験の結果を考察して自らの考えを導きだし表現する能力を育てるとともに,大地の変化,天気とその変化,地球と宇宙などについて理解させ,これらの事象に対する科学的な見方や考え方を養う。

(4)  生物とそれを取り巻く自然の事物・現象を調べる活動を行い,自然の調べ方を身に付けるとともに,これらの活動を通して自然環境を保全し,生命を尊重する態度を育て,自然を総合的に見ることができるようにする。

2  内  容

(2)  大地の変化
  大地の活動の様子や身近な地形,地層,岩石などの観察を通して,地表に見られる様々な事物・現象を大地の変化と関連付けてみる見方や考え方を養う。
ア  地層と過去の様子
(ア)  野外観察を行い,観察記録を基に,地層のでき方を考察し,重なり方の規則性を見いだすとともに,地層をつくる岩石とその中の化石を手掛かりとして過去の環境と年代を推定すること。
イ  火山と地震
(ア)  火山の形,活動の様子及びその噴出物を調べ,それらを地下のマグマの性質と関連付けてとらえるとともに,火山岩と深成岩の観察を行い,それらの組織の違いを成因と関連付けてとらえること。
(イ)  地震の体験や記録を基に,その揺れの大きさや伝わり方の規則性に気付くとともに,地震の原因を地球内部の働きと関連付けてとらえ,地震に伴う土地の変化の様子を理解すること。

(7)  自然と人間
  微生物の働きや自然環境を調べ,自然界における生物相互の関係や自然界のつり合いについて理解し,自然と人間のかかわり方について総合的に見たり考えたりすることができるようにする。
ア  自然と環境
(ア)  微生物の働きを調べ,植物,動物及び微生物を栄養摂取の面から相互に関連付けてとらえるとともに,自然界では,これらの生物がつり合いを保って生活していることを見いだすこと。
(イ)  学校周辺の身近な自然環境について調べ,自然環境は自然界のつり合いの上に成り立っていることを理解するとともに,自然環境を保全することの重要性を認識すること。
イ  自然と人間
(ア)  自然がもたらす恩恵や災害について調べ,これらを多面的,総合的にとらえて,自然と人間のかかわり方について考察すること。

3  内容の取扱い

(3)  内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア  アの(ア)については,地層を形成している代表的な堆積岩も取り上げること。「野外観察」については,学校の周辺で地層の様子を観察する活動とすること。「化石」については,示相化石及び示準化石を取り上げるが,地質年代の区分は古生代,中生代,新生代の第三紀及び第四紀を取り上げるにとどめること。地層の「重なり方」については,野外観察で見られた地層について,その重なり方の規則性をとらえることにとどめること。
イ  イの(ア)の「火山」については,代表的なものを二つ又は三つ取り上げること。「マグマの性質」については,粘性を中心に取り上げ,化学組成は扱わないこと。「火山岩」及び「深成岩」については,それぞれ1種類を扱うものとし,代表的な造岩鉱物にも触れること。
ウ  イの(イ)については,地震の現象面を中心に取り扱い,初期微動継続時間と震源までの距離との関係も取り上げるが,その公式は取り上げないこと。「地球内部の働き」については,プレートの動きに触れる程度にとどめること。

(8)  内容の(7)については,次のとおり取り扱うものとする。
ア  アの(ア)については,生産者,消費者及び分解者の関連を扱い,土壌動物については簡単に扱うこと。
イ  アの(イ)の自然環境について調べることについては,学校周辺の生物や大気,水などの自然環境を直接調べたり,記録や資料を基に調べたりする活動などを適宜行うこと。
ウ  イの(ア)については,記録や資料を基に調べること。「災害」については,地域において過去に地震,火山,津波,台風,洪水などの災害があった場合には,その災害について調べること