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火山博物館、噴火後も営業中
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国などが作成したハザードマップでは、火山博物館は火口から4キロ圏外にあると表記している | 浅間山の警戒区域内にある長野原町営の「浅間火山博物館」(所在地・嬬恋村)が、噴火後も営業を続けている。今月1日の噴火以降、火口から半径4キロ圏内は警戒区域として立ち入り禁止になったが、国などが作った災害予想地図(ハザードマップ)では同館が圏外にあると表記され、これを町側が根拠にしているためだ。マップを作成した国は「ノーコメント」と、説明を避けている。
同町は災害対策基本法に基づき、火口から半径4キロ圏内を「警戒区域」に指定したが、火山博物館は除外した。同館が半径4キロ内であることは認めつつ、「ハザードマップ上では立ち入り禁止ではないので、営業を続けている。国の許可を得ている建物なので安全だ」と説明する。
昨年作成されたハザードマップは、同館の位置を半径4キロ圏外に表示した=地図参照。しかし、同マップにある別の地図では同館を半径4キロ圏内に示すなど、矛盾している。原本とされた国土地理院作成の5万分の1の地図でも、同館があるのは4キロ圏内だ。
マップを作成した国土交通省利根川水系砂防事務所(渋川市)は「どういう経緯でこうなったのか、わからない。調査をするつもりはない」という。理由や責任についても「ノーコメント」とした。
同館では1日の噴火で、入り口のガラス1枚が割れ、23日の噴火時にも敷地内に直径1〜3センチの噴石が飛んできた。
同館が火口から4キロ内にあることは、浅間山登山規制調査検討委員の早川由紀夫・群馬大教授(火山学)が指摘した。同館の危険性について、「直径1メートルに達する火山弾の飛来が当面の心配。風下なら、直径数センチの小石が降ることはある」として、営業停止を促している。
同館は93年にリニューアルオープンし、年間10万人の来場者がある。「健全なレクリエーションのための施設」などとPRされ、噴火後は団体客は減っているが、噴火見物の個人客が増えているという。
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(9/28) |
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