子持山・小野子山
子持山は,中心火道である大黒岩とそこから放射状に広がる多数のダイクが浸食作用によってよく露出している(久保・新井,1964).中心火道の位置が現在の山頂から南へ1km離れているのは,山体の南半が北半よりも深く浸食されたからである.浸食谷の出口につくられた中郷の扇状地面は24万9000年前の空沢軽石をのせているから,子持山はそれ以前に噴火を終了していた.四方木にある標高680.9mの小さな高まりは,側火山スコリア丘かもしれない.
小野子山も子持山によく似た火山である.中心部に直径1.7kmの火口があり,そこから南西へ排水する谷の出口にあたる村上に,吾妻川河床より50m以上も高い扇状地面をつくっている.高山村見沢に露出する61万年前の薄い火砕流堆積物は小野子山から噴出したもののようだ.