新島・式根島

新島は,六つの流紋岩ドームの集合であるとみてほぼよい.もっとも新しい火山は,886年の噴火でつくられた向山(M5.0)であり,同時に発生したサージがその北側に厚い堆積物を残している.二番目に新しい火山は阿土山(M4.3)である.一色(1987)によって放射性炭素年代が1600年前と測られているが,838年天上山火山灰のすぐ上にその堆積物があることから,840年の噴火記録に対応するかもしれない.若郷集落の東にある新島山(M4.7)は7500年前にできた溶岩ドームである.若郷集落はその後5000年前にも玄武岩マグマによるサージに襲われている(若郷噴火M4.0).島の最高点がある宮塚山ドーム(M5.0)は1万4000年前にできた.以上の噴火年代は,大三山とその対岸にある地内島で観察されるテフラ層序からわかった(吉田,1995).

海底地形をみると,式根島(M4.7)は新島の一部であることが理解できる.1万年前に流出した一枚の厚い流紋岩溶岩とそれを直接覆う火砕流堆積物からなっている.


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