六日目(1) 標高4000mの世界へ

 今日はいよいよマウナケアへ登る日です。登ると行っても車で山頂の4200mの所まで行けてしまうんです。でも、そう簡単にはいけません。

 いきなり登ってしまうと高山病になる恐れがあるので、まずはマウナロアに行くことにしました。マウナロアはマウナケアと同じくらい高くて山頂は4000mだけど、山頂までは車で行けません。だけど3300m地点までかろうじて道路が延びています。だからその終点まで行ってそこで高地順応してこようということになったのです。

 ジェットコースターのような道を2時間以上かけてやっとたどりつきました。まだ3300mだからでしょうか、空気の薄さは感じられませんでした。そこでゆっくり昼食をとって、これからアタックする4200mのマウナケアへ備えたのでした。でもここから見たマウナケアは雄大だったなあ。

 そろそろ気付く人はいるかなあ?さっきからずーっと僕同じ服着ていない??言っておくけど、ハワイへはリゾートしにきたんじゃありません。ほとんどキャンプなんです。

 さて、十分高地順応できたところで、目指すは目の前に大きく腰を据えているマウナケア頂上です。4000mという未体験ゾーンへの突入。どきどきわくわくしてきました。せっかく登ってきた道を下りていって、また下からのアタックです。マウナケアへの道はまるでハイウエーのように良い道でしたが、途中ダートの区間がありました。やはり4WDでないとだめですね。

 白い山という名の通りマウナケア山頂は雪がありました。海岸では海水浴ができるのに山頂ではスキーができてしまう、太平洋のど真ん中にあるハワイ島は、そんな島なのです。

 山頂にはたくさんの天文台がありました。日本の誇る世界最大の反射望遠鏡「すばる」はまだ建設中でした。道がある天文台のそばで行き止まりました。どうやら終点のようです。車から降りてみます。

 さみーー。空気が薄いのは感じましたが、まずは寒いの一言です。だって下では真夏なのに、上では真冬です。温度は0度付近でした。空気が薄い影響は徐々に現れてきました。頭ががんがんしてきたのです。僕の感じからするとそれはちょうど、飲み過ぎて次の朝の二日酔いのような頭のだるさでした。同じように頭の回転が鈍くなってました。僕はフィルムを巻き上げずにカメラの蓋を開けてしまって、大事な写真が台無しになってしまいました。カメラをなくした人もいます。

 頂上は車を止めた地点からすぐそこの丘でした。あまりにあっけない征服でした。でもとりあえず太平洋のど真ん中の4205mはきわめましたよ。山頂はお世辞にも立派なものではありませんでした。鉄柱が1本立っていただけでした。上の写真は山頂から車を止めた地点を見ています。すぐでしょ。

 雲海ができてしまっていて海は東側しか見えませんでしたが、やはり山の上から見る景色は格別です。それに空がとっても青かったです。宇宙の色が見えると誰かが言っていたけど、それだったのかもしれません。

 あまりに寒すぎるので車の中で日が落ちるのを待っていました。空気が少ないのか、とっても眠くなってみんなで1時間くらい昼寝をしていました。

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