東京地学協会第1回海外巡検

「ハワイ島の火山噴火と氷河地形」実施報告

2000年3月15日〜3月20日(4泊6日)
企画主催:東京地学協会
旅行取扱:JTB海外旅行虎ノ門支店
参加者:23名(会員2名;非会員21名)
出発直前に参加者へ配布した文書

3月15日 ビジターセンター

ヒロのホテルで昼食をとってひと休みしたあと,キラウエア・ビジターセンターへ行きました.映画をみて地図を買ったあと,向かいのボルケーノハウスのベランダからカルデラを展望しました.

3月16日 キラウエアの噴火

早起きしてホテルの回りを散歩しました.快晴で,マウナケアの頂上に白い天文台が見えました.
スイサンマーケットに並べられて競りを待つ新鮮な魚.赤いのはキンメダイに似ていたが,目が金色ではなかった.
キラウエアに向かい,カルデラを左回りに3/4周したあと,南下してパウアヒ・クレーターでピットクレーターを観察.さらに,ホーレイ断層崖を下ってパホイホイ溶岩とアア溶岩を見比べました.そこでは,1983年からの噴火でつくられたペレーの毛とレティキュライト(きわめてよく発泡したスコリア)を溶岩の隙間でみつけました.
ピクニックランチをすませて,キラウエアの溶岩が太平洋に注ぎ込んでいるラエアプキに向かいました.ゆっくり歩いて,片道70分でした.参加者全員が,海に注ぎ込む真っ赤な溶岩を見ることができました.

これは,2日前の下見のときの様子.夕方の写真だから溶岩の赤みがよく写っています.岬の先端の長さ5メートルくらいが上の写真にないことがわかりますか?私が見ている前で,何回にも分けて海の中に崩れ落ちました.そのたびに小さな爆発が起こって,スコリアが15メートルほど飛び散りました.

海に流れ込む赤い溶岩を思い思いに眺める参加者たち.みなさん何かを感じたらしい.

3月17日 マウナケア4200mとすばる望遠鏡

3日目は,14人乗り四輪駆動車二台に分乗してマウナロアとマウナケアの鞍部を通るサドルロードを行きました.プウフルフルからみたマウナケア.山頂域のうち,左側の白っぽい部分が氷河が残したモレーンです.
マウナケアのモレーンの上を歩く参加者.表面に削痕をもつ羊背岩が中景にみえます.遠景の黒い山は,氷底噴火で生じた火砕岩が積み重なってつくらました.火砕岩(スコリア)がモレーンを覆っていないことから,この黒い山の噴火のときにはここが氷ですっかり覆われていたことがわかります.どうやら,15万年前ころの噴火らしい.1600×1200
氷底噴火でつくられた火砕岩の山の上に建設された天文台.左から,すばる(日本),ケック1とケック2(アメリカ),NASA(アメリカ).遠くにマウイ島のハレアカラ火山が見えます.1600×1200
この青い入れ物の中にすばるの心臓部である8メートルの鏡が入っています.ドームの中もとっても寒く-2℃くらい.外気と同じ温度にしているのです.横顔が,説明してくださった中桐先生.1600×1200
参加者のうち元気だった10人が,マウナケアの山頂4206メートルを極めました.このごろの若者の万歳は手を下に広げるらしい.1600×1200

3月18日 キラウエアカルデラ

キラウエアカルデラを一周しました.ジャガー博物館・南西リフト・ハレマウマウ・ケアナカコイ・プウプアイでバスを下車して見学しました.午後はサーストン溶岩トンネルを見学したあと,トレイルを歩きました.雨でも行くキラウエア・イキ・トレイル組と,雨を避けたいフットプリント・トレイル組に分かれました.写真は1997年12月のページ参照

3月19日 日本へ

ヒロ空港を飛び立ってすぐ,左側にマウナケアが迫ってきました.ヒトデのようにのしかかったモレーンとその上に建つ天文台群がはっきり見えました.背後にマウナロア.


写真をクリックすると大きくなります.2000.3.21