2000.8.11の三宅島山頂火口

三宅島山頂火口を観察できる位置に1320-1350と1455-1510の二度滞在した.このとき撮影された動画が,8.13.1730からTBS報道特集で放送されます.

山頂火口遠景.火口縁の拡大は8.03とくらべてさほど進んでいないが,火口底の深さが100メートルほど増したように思った.(1335)

南西縁にあった山頂駐車場はついに失われた.(1332)

火口底の南東寄り(坪田側)の中段下部に小火口が開いて水蒸気を上げている.前日8.10の噴火口だ.小火口の縁からは,熱湯が湯気を立てて火口底最低点に向かって流れ下っている.しかし,最低点に達する前に地下にしみこんでしまっている.最低点の写真はとりそこないました.(1330)

小火口には熱湯のプールができていて,その端から水蒸気が上がっている.火山灰を含んだ黒いジェットが数分ごとに100-200メートルの高さに上がっていたが,火口縁より高くまで上がることはなかった.(1340)

火口東壁から崩壊した土砂(暗色表面)を切って熱湯が流れていることから,この崩壊のあとに火口底の傾動沈降があったことがわかる.東下がりだ.手前が北寄り(神着側)にある最低点.
 北東壁中段に付着したままの崩壊土砂(黒色)は,火口底の陥没が段階的に進行したことの証拠地形である.(1325)

一時間半後に再度上空に接近した.熱湯プールは決壊して,熱泥水が流れ広がっていた.表面水が火口最低点まで達したようだった.火口底には巨礫が散在している.(1500)

20世紀の噴火で生じた赤場暁とひょうたん山はほんらい黒いのだが,三度にわたる降灰ですっかり白くなってしまった.赤場暁の中央には流水が見られ,都道の山寄りに土嚢が積み上げられている.(1515)

 

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8.12.1800