日光金精山の山頂付近に地割れがあるとの通報が登山者からあり,栃木・群馬両県などが18日,現地調査して確かめました.私も23日に登山して,確かめました.以下に写真を掲載します.すぐそばの日光白根山に異常はありません.
調査ルート:菅沼→金精山→前白根山→五色沼→白根山→弥陀ヶ池→菅沼.
菅沼ドライブインの窓ガラスが,雪解け後,多数割れていたという. | |
これらの斜面崩壊は今春のものではなく,数年前のもの. | |
金精山頂ふきんで,登山道の縁に沿う地割れ.金精山.日光砂防(?)が開口幅を測っている. | |
6月18日の写真と比較して,開口幅にほとんど変化ない. | |
この地割れに限っては,18日から拡大しているようにも見える.下方に落下しているのだろうか? | |
「杉」の字形に雁行した地割れ群.右ずれ. | |
右ずれのようにも見える. | |
根元にあった大岩とともに栃木県側に崩れたオオシラビソ.遠景は男体山. | |
南から見た金精山.第三紀の変質した火山岩の上を,柱状節理をもつ第四紀の溶岩がおおう.栃木県側(右)は,岩盤が露出した自由落下斜面をなす.一方,群馬県側は急傾斜だが表土がのっていて森林が形成されている.地割れのほとんどは,この森林土壌の上にある. | |
五色山からみた白根山と五色沼. | |
山頂の巨大割れ目.遠景にロープウエイ山頂駅.白根山に異常はみつからなかった. | |
燧ヶ岳と丸沼. |
本年3月31日06:09にこの地域の下8kmで発生したM4.9の発震によって,これらの地割れが形成されたのだと思われます.地割れ発見が遅れたのは,積雪がなくなってはじめて地表に露出したからでしょう.地割れは,金精山頂を含む200メートルくらいの領域にしかありません.
菅沼ドライブインの窓ガラスもそのとき割れたのでしょう.被害状況から判断すると,菅沼で震度5弱だったとみられます.なお丸沼高原スキー場はその日営業していましたが,とくに異常はみられなかったとのことです. 湯元での聞き取り調査はしていません.
この発震は,防災科学技術研究所のFreesiaによると,深さ5km,Mw5.0で,北西-南東方向に圧縮軸をもつ横ずれ型です.
地割れの成因は,次の三つが考えられます.どれが正しいか,いまの私にはわかりません.ご教示ください.