4 3万年前
山頂の火口の中には大沼(おの)、小沼(この)、覚満渕(かくまんぶち)ができる。
たびたび噴火が起こり、火さい流が流れました。そして、いまから約3万年前に山頂から噴火が始まり、4.2×2.2Hの火口ができました。このときにはたくさんの軽石が栃木県の方まで飛びました。
この軽石は「鹿沼(かぬま)軽石」と名づけられ、おじいちゃんの好きな”ぼんさい”を作るときの土として利用されています。
続けて、火口の中に溶岩が登ってきて爆発しないで固まり、山ができました。現在の地蔵岳です。また、ばく発しないはずの溶岩が水と出会うとばく発して小沼(この)ができました。地蔵岳や小沼の北側のくぼんでいるところには大沼(おの)ができました。
どうしてばく発しない溶岩と水が出会うとばく発は起こるのでしょう。水は熱い溶岩と出会うと溶岩の持っている熱で水蒸気に変わります。鍋でふたをしてお湯を沸かすと、お湯が沸いたときにふたが少しもち上がってカタカタ音をたてます。溶岩ではあっという間に水が水蒸気になるので、なべのふたの役目をしている溶岩がふき飛ばされてばく発が起こるのです。