火山爆発のなかには,既存の火山体を破壊するだけで地表にマグマがあらわれないものもある.これを水蒸気爆発という.水蒸気爆発は,マグマから間接的にもたらされた熱によって地下水が沸騰して起こる.噴出物のほとんどは,地下で熱水変質した火山粘土である.
水蒸気爆発のマグニチュード上限はM3.0付近にある.それほど大規模なものではないが,ときに強い爆発が起こって巨大な岩塊が空中に投げ出される.火口から3km程度まで到達することがあるので,防災面での注意を怠ってはならない.
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草津白根山は,1万9000年前からブルカノ式噴火と水蒸気爆発を繰り返している.火口の近くでは,青黒色の火山砂と淡色の火山粘土層からなる噴火堆積物の厚い互層がみられる.休止期間に堆積したレスが占める割合は全体の1/10以下である.
"7L"は,1万3500年前のブルカノ式噴火で堆積した火山砂である.その上に噴火堆積物が8m累重している.その2/3が水蒸気爆発による火山粘土である.
左下方には,弾道軌道を描いて着地した直径1mの溶岩塊が見えている.
(草津白根山湯釜の南東1.1km; Holocene steam-explosion clay and vulcanian
sand from Kusatsu Shirane) |
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伊香保軽石(FP)の上12cmに1408年の白色粘土があり,厚さ2cmのレスを挟んで,1410年の青黒色火山砂が重なる.
(那須国民休暇村の南南東400m)
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