堆積物から噴火をよみとる
Reconstructing Past Eruptions from the Deposits
噴火堆積物は,地層になった後もさまざまな作用を経験する.堆積物から噴火を正しく読みとるためには,そのような作用を差し引いて考えなければならない.
状況が許す場合は,そのような作用を被っていない(保存状態がよい)噴火堆積物を選んで考察の対象にするのがよい.
ヘクラ火山の1510年降下軽石層が,地中水分の凍結融解作用によって変形している.(Hekla, Iceland)
樹根あるいは地中動物(ミミズやモグラなど)によって白い流紋岩シルトの堆積構造が乱されている.
(伊豆大島元町; rhyolite ash from Kozushima, 838AD)
たいへん湿った環境にあった屈斜路1火砕流堆積物が,近くで生じた二次爆発による震動で
液状化
してブロックになった.マトリクスのシルト含有量は少ない.水といっしょに上方へ失われたからだ.
(北海道清里町上斜里西区)
湿った降下火山シルト層の上に屈斜路1火砕流堆積物が突然厚くのったために,その荷重で乳頭状の突起がシルト層上面に生じた.荷重変形構造(load cast)の一種である. (北海道清里町上斜里西区)