|
|
クロボクとロームのちょうど境界に,男体山最後の噴火で降下した七本桜軽石(SP)と今市スコリア(IS)がある.浅間山から1万5900年前に降灰したUG火山灰がその下10cmにあるので,この噴火が起こったのはそれから約1000年後の1万4900年前ころと決められる.
その下のロームには薄いスコリア層が何枚か挟まれていて,ローム中にもたくさんのスコリア礫が散在している.一方,小川スコリア(OS)の下のローム中にはスコリア礫がほとんど混じっていない.男体山は2万3000年前の小川スコリア噴火で誕生し,それから約8000年間噴火を断続してできた火山錐である.
(今市市大室,男体山の東24km;Nantai tephra layers of Nikko) |
|
クロボクもロームも休止期に堆積したレスである.クロボクは腐植を多く含むので黒い.完新世のレスがクロボクであることが多いのは,人為によって森林の草原化が進んだためらしい.
|
|
|
|
|
|
上毛かるたに「裾野は長し赤城山」と詠まれた赤城山は,利根川に面した西半分に広い火山麓扇状地をもっている.それは,20万年前ころに土石流と火砕流・熱雲を盛んに流した結果つくられた.
写真には2枚の熱雲堆積物が写っている.下の熱雲堆積物には,谷を埋めて流れたblock-and-ash flow堆積物が伴われている.両者に挟まれた富士見軽石(FjP)は15万年前のプリニー式テフラである.
|
|
西麓のこの地点には赤城山のテフラが少ない.そのかわり,4万2000年前に榛名山から八崎軽石(HP)が,2万1000年前に浅間山から白糸軽石(SP)が,6世紀に再度榛名山から伊香保軽石(FP)が飛来している.
(群馬県赤城村津久田;Tephra and loess section on the west flank
of Akagi) |
|