JP09  
  スコリア丘
  阿蘇の米塚(熊本県)。
米塚は、いまから1700年前に阿蘇カルデラ内で起こったストロンボリ式噴火でつくられたスコリア丘である.数週間〜数ヶ月かけてゆっくり成長したと思われる.火口から噴出したスコリアは斜面をころがって火口縁の内と外の両斜面に崖錐をつくる.崖錐斜面は平滑で直線的であることが特徴である.その斜面は基底面と不連続に接する.地表を平行に覆って連続的なスカイラインをつくる降下テフラとはつくる地形が異なる.写真では、スコリア丘の右端に溶岩流の出口が認められる(矢印).ここから流出した溶岩はパホイホイだったから米塚スコリア丘はそれによってほとんど壊れなかった.溶岩流の出口は、米塚に隠れた向こう側にもう一ヶ所ある.
 
020204  
  スコリア丘
  ハレアカラ、マウイ島(ハワイ)
ハレアカラ・クレーターの中には、たくさんのスコリア丘がみられる。裾から溶岩を流したスコリア丘が多い。アア溶岩を流出したスコリア丘は、その側が壊れている。植生がなくて強風のため、表層の黒いスコリアが吹き払われて内部の赤いスコリアが露出している。
 
 
 
US65  
  スコリア丘
  クレーターレイクオレゴン州)のウィザード・スコリア丘
裾から流れ出した溶岩とともに、噴火後しばらくしてから水没している。
 
IC74  
  スコリア丘
  ヘイマエイ島のエルトフェル・スコリア丘(アイスランド)
このスコリア丘と溶岩流は1973年の噴火で生じた。白壁の家々は、2メートルも降り積もったスコリアの下から掘り出されて、再び使われている。
 
 
 
US06  
  溶岩ドーム
  セントへレンズ(ワシントン州)1986年8月撮影
デイサイトあるいは流紋岩のマグマは、溶岩流として地表を遠くまで流れ下ることがあまりなく、火口の上にまんじゅうのような溶岩ドームを形成することが多い。
 
JP02  
  溶岩ドーム
  樽前山(北海道)
樽前山の山頂火口内に1909年に生じた溶岩ドーム.新しいので表面が尖っている.
 
 
 
ZZ94  
  溶岩ドーム
  モンプレー(西インド諸島マルチニーク島)ハリー・グリッケン撮影
この山頂溶岩ドームから1902年5月8日に発生した熱雲が、手前のサンピエール市民2万8000人の命を一瞬で奪った。
 
JP27  
  マール
  弓池、草津白根山(群馬県)
噴出するマグマが地表近くで水と接触すると激しい爆発が生じる。その結果として生じる火山地形にはマール(maar)とタフリング(tuffring)がある.このタイプの噴火の爆発力は激しいが、噴出物があまり遠くまで達しないから、それによってつくられる地形も火口近くの数キロに留まる.できあがった小火山の火口底が地下水面より低くて中に水がたまっているときはマールとよぶ.
 
 
 
864  
  マール
  草津白根山の弓池と湯釜
 
857  
  マール
  草津白根山の湯釜
中景は本白根山。遠景は煙を吐く浅間山。さらに八ヶ岳。
 
 
 
JP11  
  マール
  霧島山大浪池(鹿児島県)
 
1000419  
  タフリング
  ダイヤモンドヘッド、オアフ島(ハワイ)
ホノルル市内にあるダイヤモンドヘッドは古いタフリングである.ガリー浸食を受けた外側斜面に水平の層理がみえている.
 
 
 
US18  
  熱雲の堆積物
  セントへレンズ(ワシントン州)
アメリカ合衆国ワシントン州のセントヘレンズ火山は1980年5月18日早朝、北側へ大きく崩れた.このとき山体内部に上昇してきていた潜在溶岩ドームが急激に減圧されて大爆発が起こった.その爆風は27kmまで到達し、700km2の森林を完全に破壊した.
 
US21  
  熱雲の堆積物
   
 
 
 
US22  
  熱雲の堆積物
  Clearwater Creek
爆発源は写真の左側13kmにある.1980年の地表(木の根のある層位)の直上にある厚さ20cmの砂礫層がその熱雲の堆積物である.背景の倒木はすべて右へ倒れている.砂礫層の上には、熱雲がつくったサーマル雲から降下した褐色火山灰、その直後に火口に立ち上がったプリニー式噴煙柱からの降下軽石が順に重なっている.
 
JP08  
  熱雲の堆積物
  長崎県深江町大野木場小学校、1994年10月24日撮影
この小学校校舎は、1991年9月15日の熱雲で焼かれた.校庭には10cm足らずの堆積物がそのまま残っていた.背後は熱雲の発生源である溶岩ドーム.
 
 
 
JP38  
  火砕流の堆積物
  浅間山の吾妻火砕流(群馬県)
吾妻火砕流は1783年8月4日午後に噴出した。地表に定着したあと、熱のため互いにくっつきあって溶岩のようなみかけをなしている。これを溶結作用という。
 
1151  
  火砕流の堆積物
  浅間山の平原火砕流(長野県)
1万5800年前に浅間山から噴出した平原火砕流が、山麓に広い火砕流台地をつくった。
 
 
 
JP99  
  火砕流の堆積物
  駒ヶ岳(北海道鹿部町)
駒ヶ岳の山頂火口から1856年9月に流れ出した火砕流は10.0kmまで達し,留ノ湯などで20数名の命を奪った.比較的低温で堆積したためほとんど溶結していない.高温状態が長時間続いた中心部だけが酸化して赤変している.
 
JP42  
  軽石と火山灰がつくる地層
  長野県軽井沢町万山望
浅間山で起こった過去の大噴火の証拠が地層としてここに記録されている。最上部150センチは1783年の軽石。その下の100センチが1108年の軽石
 
 
 
1337  
  軽石と火山灰がつくる地層
  群馬県長野原町北軽井沢
1万5800年前に浅間山で起こった大噴火による堆積物が、下から火砕流、軽石、火山灰の順に重なっている。この地点の火山灰は、ピンクや黄色や青で、とくに美しい。
 
1020584  
  流れ山
  浅間山の塚原土石なだれ、群馬県長野原町応桑
2万4300年前に浅間山が丸ごと崩壊して大規模な土石なだれを発生させた。その堆積物表面に双子の流れ山が見られる。
 
 
 
792  
  大円錐火山と溶岩流
  浅間山の鬼押出し溶岩
 
810  
  大円錐火山と溶岩流
  浅間山と、その広い裾野
 
 
 
1622  
  火山麓で営まれる農業
  浅間山と牧草地
 
1635  
  火山麓で営まれる農業
  浅間山とキャベツ畑
 
 
 
1827  
  盾状火山
  ボルケーノハウスから見たマウナロア(ハワイ)
ハワイ島のマウナロアは地球最大の火山である。海面からの高さは4200メートルだが、太平洋の海底から測ると8000メートルに達する。山頂部分は丸いから、麓から真の山頂を見ることがかなわない。西洋の盾を伏せたようなかたちをしているので、盾状火山とよぶ。浅間山や富士山のような円錐形の火山とは、サイズもかたちもまったく異なる。手前の窪地はキラウエア・カルデラ。
 
US36  
  盾状火山
  ハレマウマウ・クレーター
直径1キロのハレマウマウ・クレーターはキラウエア火山の中心である。円形はマウナケア。
 
 
 
IC76  
  火山と氷河
  ヘルズブレイズ(アイスランド)
氷期に、氷河の下で噴火してできた。卓上火山という。テーブルの高さが当時の氷の表面にあたる。テーブルの下はおもに枕状溶岩でできているが、テーブルの上にはスコリア丘がある。
 
US02  
  火山と氷河
  レーニア(ワシントン州)
雲海の上に突き出したレーニア
 
 
 
US01  
  火山と氷河
  レーニアはいま氷河に覆われている。氷河におおわれた火山が噴火すると、麓に泥流災害が発生する危険がある。
 
US68  
  溶岩洞窟と天窓
  Klamath Falls、オレゴン州
玄武岩火山からの溶岩流出はゆっくりと長い時間をかけて行われる.安定した噴火状態が実現すると溶岩の通り道が地下に確保される.これを溶岩洞窟という.溶岩洞窟は、高温溶岩を冷却させずに遠くまで運ぶ効率のよいシステムである.空から見ると天窓の並びによって溶岩洞窟の位置がわかる.この写真では、植生の違いで溶岩流の広がりがわかる.
 
 
 
US51  
  溶岩洞窟と天窓
  Ice cave、 Craters of the Moon、 アイダホ州
溶岩洞窟の内部から陥没した天井を見上げると、まさに天窓というにふさわしい.
 
IC93  
  溶岩洞窟と天窓
  アイスランド
溶岩洞窟の断面.チューブを満たして流れた溶岩によって、厚さ20cmほどの裏打ちがなされている.
 
 
 
080201  
  火道とダイク
  コオラウ火山(オアフ島)
中心火道のような既存の通路ではなく、それまでなかった新しい通路をマグマが移動するとき、その通路の形態は割れ目となる.移動が終わったとき割れ目は完全には閉じないで、マグマが冷却固結してそこに岩板が残される.これをダイクという.この写真は、オアフ島のコオラウ火山のリフトゾーン断面に現れたダイク群である。ここを通ってマグマが横方向に移動した。
 
USNM59  
  火道とダイク
  シップロック(ニューメキシコ州)
 
 
 
USNM60  
  火道とダイク
  シップロックは,浸食から取り残された中新世の火山の火道である.シップロックの高さである500mより厚い地層が,中新世と現在の間にこの地域から削り取られた.シップロックから南に弧を描いて伸びるダイクの側面には,急冷によって生じた亀甲割れ目がみられる.(四州接合点の南東40km)
 
US59  
  火道とダイク
  クレーターレイク(オレゴン州)
浸食されて内部構造があらわになった火山には、中心火道から放射状に伸びるダイクがしばしば見られる.これはクレーターレイク・カルデラの内壁に屹立するダイクで、悪魔の背骨(Devil's Backbone)と呼ばれる。
 
 
 
US57  
  カルデラ
  クレーターレイク(オレゴン州)
7700年前にできたまだ新しいカルデラである。地下にあった大量のマグマを火砕流として地表に噴き出した結果、天井が陥没してできた。噴火がすっかり終わったあと、雨が降って水がたまり、美しい湖になった。
 
US60  
  カルデラ
   
 
 
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