4.04(火)
- NHKは1920にも空撮を放送しました.画面に「午後3時半」とテロップが出ました(右のキャプチャ映像)・そんなに長く上空にとどまっているのですか.非常災害対策本部長である中山国土庁長官のけさの要請を無視するのなら,指定公共機関を返上すべきです.もし長官の特別了承を得ていたり,自衛隊から映像をもらっているのなら,放送でそのように断ってください.このままでは,民放をはじめとする報道各社がまねします.(4.4.1930)
- 「上空からの取材自粛を要請=中山国土庁長官
有珠山噴火非常災害対策本部長の中山正暉国土庁長官(建設相)は4日の閣議後の記者会見で、北海道・有珠山の西山地区を中心とする半径5キロメートル以内での上空からの取材活動を自粛するよう報道各社に要請した。航空機に危険が及ぶ恐れがある上、観測活動などにも支障が出るため、としている。」時事通信
- NHK(日本放送協会)に質問します.1529のテレビニュースで,「午後2時40分」のテロップをつけて放送した高い位置からの映像は,NHK自身のヘリコプター(か軽飛行機)によるものですか?NHKは災害対策基本法2条によって指定公共機関のひとつに指名されています.このような災害時においてNHKは,他の民放テレビ局よりはるかに重大な責任を負っています.同法が定める指定行政機関のひとつ運輸省がきのう出した指示(下記)に反した行動をもしNHKがとったのなら,無責任はなはだしい.あの映像は,半径5km・高度1万メートルの範囲内から撮影しなければ得られないものです.空から撮影したとすれば,運輸省の指示に違反しています.(4.4.1550)
- 有珠山の最近の噴火7回のうち,1910年と1943年以外の5回でプリニー式噴火が発生しました.堆積物の写真をご覧ください.したがって,今回プリニー式噴火が発生する確率は71%だということができます.起こるとすれば,一週間以内だろう思われます.(サージを含む)火砕流は,1910年以外の6回で堆積物が確認されています.1910年でも小規模なものが起こったに違いありません.今回も,もうすでに,小規模なものが発生しています.(4.4.1530)
- 今朝の読売新聞が伝えるところによると,「運輸省航空局は3日午後1時55分,火砕流や火砕サージの発生で航空機に影響が出る恐れがあるとして,西山の火口群を中心に半径5kmの範囲で高度1万メートル以下の飛行を行わないよう,航空関係者に対して情報を出した.」テレビ新聞各社のみなさん,わかりましたかぁ?(すくなくともこれから一週間は)飛んじゃあダメですよ.もちろん上空の危険は,「火砕流や火砕サージ」というより,むしろプリニー式噴煙柱にあります.噴石に当たって機体が破損する危険だけでなく,火山灰を多量に含んだ噴煙を吸い込んでエンジンがストップするという想像しただけで恐ろしい危険があります.ジャンボジェット機の4つのエンジンすべてがストップし,墜落直前にそのひとつが回復してかろうじて安全に着陸できたのは,どこの火山の例だったっけかなぁ.このページをご覧になった野口竜太朗さんにメールで教えていただきました.インドネシアのガルングン火山の1982年噴火で英国航空機.KLM航空機は,1989年12月のアラスカ上空でした.リダウト火山の噴火.那野比古さんの文章がこの危険をよくまとめています.(4.4.0910/1835)
- 4月2日のFNN泥流取材は「無鉄砲だった」ですむかもしれないけど,3月31日の噴火発生後に現場に接近して噴火中と噴火直後をレポートしたANNは正気だったと思えない.猛省を促します.(4.4.0540)