噴煙から降下するテフラ
Tephra Fallout from Eruption Clouds
 
 浅間火山は4万年前ころに誕生した.そして2万6500年前から1万5900年前までの約1万年間にM>4.5のプリニー式噴火を9回繰り返した.その後大きなプリニー式噴火はしばらく途絶えたが,最近復活して,4世紀にM4.4 ,1108年にM5.1,1783年にM4.5のプリニー式噴火を経験している.
 成層した下半分は,プリューム高度に変動がみられた段階の堆積物である.1783年8月2日夜から始まって約40時間継続した.成層構造がほとんどみられない上半分は,安定した高いプリュームになった段階の堆積物である.8月4日14時から16時間継続した.

 真ん中ふきんに挟まれている3枚の薄いピンク色火山シルト層(p)は,8月4日に発生した吾妻火砕流の上に広がったサーマル雲から降下した火山灰らしい.
(長野県軽井沢町峰ノ茶屋)
 一番上に1783年軽石(A)があり,レス(クロボク)を挟んで1108年スコリア(B),再びレスを挟んで4世紀の軽石(C)がある.その下にはレスが厚く堆積していて顕著なプリニー式テフラはあまりみられない.
(長野県軽井沢町万山望;Holocene pumices from Maekakeyama)

 1万5900年前に噴火した嬬恋軽石の接写.軽石礫と鉱物結晶粒と岩片からなる.シルト以下の粒子はほとんど含まない.
(群馬県嬬恋村の赤川土取り場)