5.05(金)

▼洞爺湖の水面の一部にきょう9時から,避難指示区域が設定されるそうです(アサヒコムほっかいどう).避難指示ですから災害対策基本法60条にもとづく処置だと思われますが,これはおかしい処置だと私は思います.60条は,居住者・滞在者に対してそこからの立ち退きを求める条項です.だれも住んだり滞在していない水面から立ち退きを求めることに意味をみつけるのはむずかしい.
 水面のような非居住地域に危険が及んだ場合は,63条の警戒区域設定をして立ち入り制限するのが妥当です.きょうから実施する60条規制は,非居住地域の警戒として不十分だと私は考えます.63条規制にしない理由を私はみつけることができません.
 なお現在,次の火山で,63条を使った警戒区域が非居住地域に設定されています:草津白根山・浅間山・九重山・雲仙岳・阿蘇山・桜島.詳細は,当該市町村にお確かめください.(0730)
 誤解があるといけないので加筆します.私は,居住地域に63条を適用して警戒区域に指定することには反対です.(5.8.1255)
 
▼3日の日中雨が降り続き,50mmくらいが降ったらしい.大きな泥流・土石流は発生しなかったらしい.こんなに降ったのに,どうして発生しなかったのだろう?災害が発生しなかったのは喜ばしいことだが,科学的に説明しにくい現象が起きていることをきちんと認識する必要がある.その原因を解明することで,未来にまでわたった防災の実現が可能になる.