1999.12.18改訂
霧島山(D→B) 1991年11月13日から新燃岳で突然地震が増えて12月に少量の火山灰を噴出した.その後静かになったが,1999年11月10日に192回の地震が発生した.そして12月16日19時22分から継続時間28分の微動が発生した.気象庁の火山情報;私の解説
樽前山(D→C) 1667年と1739年の噴火が大きかった.20世紀には1909年と1978年に噴火した.1999年5月2日(160回),5月3日(169回)に地震が多発した.その後,7月1日から5日朝まで一時的に地震が増えたが,治まった.→コメント
秋田焼山(B→C) 1997年5月と8月に水蒸気爆発が起こった.予告なく爆発が起こる危険がある.火山ガスにも注意.1986年5月8日に,玉川温泉叫沢で有毒ガスを吸って一人が死亡した.
岩手山(B→C) 噴火の危険があるため,山頂への7つの登山道すべて閉鎖中.1998年9月3日の地震以降,地殻変動は治まっている.地表付近で熱異常がみられるが,これは今回の地変の余効効果である可能性が強い.→コメント
安達太良山(B→C) 1996年9月以来,沼の平で熱水がしばしば噴出している.1997年9月15日には,その近くをハイキング中の4人が硫化水素ガスを吸引して死亡した.
新潟焼山(B→C) 887,1361,1773年に早川の谷を熱雲が走った.1974年7月の爆発のとき,山頂付近にキャンプ中の学生3人が噴石の直撃を受け死亡した.1997年11月にも異常が認められた.
雌阿寒岳(B) 1998年11月9日,2年ぶりに噴火して灰を降らせた.爆発音が麓まで達しないようなとても小さな噴火だったようだが,いま火口に近づくのは危険.→気象庁の火山情報,→私個人のコメント
北海道駒ヶ岳(B) 1998年10月25日朝に突然爆発した.この火山はいきなり,きわめて破壊的な噴火をするから厳重な注意が必要.→気象庁の火山情報,→私個人のコメント
1998.10.26改訂
北海道駒ヶ岳(A) 1998年10月25日朝に突然爆発した.この火山はいきなり,きわめて破壊的な噴火をするから厳重な注意が必要.いま山頂に向かうのは自殺行為に等しい.
十勝岳(B) 1998年12月の噴火以来,活発な62-2火口を通る前十勝ルートは閉鎖されている.十勝岳避難小屋から東側ルートをとれば山頂に立つことができる.東側ルートには62-2火口から火山ガスが流れてくることがあるので注意したい.→気象庁の火山情報
岩手山(B) 噴火の危険があるため,山頂への7つの登山道すべて閉鎖中.盛岡地方気象台から発表される最新の火山情報で火山の現況を知ることができる.9月3日に地震で仕切り直しなったようだ.7月頃の(明日にも噴火しそうという)緊張感はすこし遠のいたとみられる.→気象庁の火山情報,→私個人のコメント
1998.9.5改訂 評価火山の数を大幅に増やして31にしました.危険度を確率数値ではなく,交通事故危険との比較で表現しました.従来から危険度評価してあった火山のランク見直しはありません.
以下の評価は,1998年9月5日までに収集した情報をもとに,私個人が危険度評価をしたものです.登山や観光にお役立てください.言うまでもありませんが,危険の指摘をしていない火山が絶対安全であることを保証するものではありません.ここにあげられていない火山が安全であることを保証するものでもありません.入山の際は,常識を十分に活用して,自己の責任で行動してください.
火山名のあとのアルファベットは,山頂または火口底付近に2-3時間とどまった場合に爆発に遭遇して死亡する危険度です.平均的日本人が交通事故で死亡する危険度(毎日)を1とすると,A: 10000倍以上,B: 1000倍,C: 100倍,D: 10倍,E: 1倍以下となります.
雌阿寒岳(D) 1996年11月にポンマチネシリ火口南縁から爆発して灰を降らせたが,どうやらおさまったようだ.
大雪山(E) 御鉢平で硫化水素ガスを吸った登山者が1958年7月に2人,1961年6月に2人亡くなっている.
十勝岳(C) 1998年12月の噴火以来,活発な62-2火口を通る前十勝ルートは閉鎖されている.十勝岳避難小屋から東側ルートをとれば山頂に立つことができる.東側ルートには62-2火口から火山ガスが流れてくることがあるので注意したい.
北海道駒ヶ岳(D) 1995年3月に爆発して灰を降らせたが,どうやらおさまったようだ.1929年の噴火では火砕流が発生した.この火山はたいへん破壊的な噴火をするから異常が発生したら厳重な注意が必要.
岩木山(D) 最新の噴火は1863年3月の水蒸気爆発.しばしば地震が群発する.
八甲田山(E) 1997年7月12日,訓練中の自衛隊員3名が田代平の窪地で二酸化炭素を吸引して死亡した.
秋田焼山(B) 1997年5月と8月に水蒸気爆発が起こった.予告なく爆発が起こる危険がある.火山ガスにも注意.1986年5月8日に,玉川温泉叫沢で有毒ガスを吸って一人が死亡した.
岩手山(A) 噴火の危険があるため,山頂への7つの登山道すべて閉鎖中.盛岡地方気象台から発表される最新の火山情報で火山の現況を知ることができる.→気象庁の火山情報,→私個人のコメント
鳥海山(D) 最新の噴火は1974年3月の水蒸気爆発.山頂の溶岩ドーム(新山)は1801年の噴火でできた.このとき登山者8名が噴石に当たって死亡.
蔵王山(D) 最新の噴火は1940年2月.1918年にはお釜の水が沸騰した.
吾妻山(D) 1893年5月,一切経山に新しく開いた火口を調査中の専門家2人が噴石に当たって死亡.
安達太良山(B) 1996年9月以来,沼の平で熱水がしばしば噴出している.1997年9月15日には,その近くをハイキング中の4人が硫化水素ガスを吸引して死亡した.→気象庁の火山情報
磐梯山(D) 1888年7月15日,山頂が北側に崩れ落ちて多数の村落を埋めた.死者461人.桧原湖や五色沼はこれによって生じた.
那須岳(D) 1919年7月,殺生石で2人が硫化水素ガスを吸って死亡.
日光白根山(D) 最新の噴火は1890年8月.
草津白根山(C) 殺生河原や湯釜北側などから硫化水素ガスが出ている.ガス濃度測定器と警報システムが整備されているので,その案内にしたがうとよい.山頂の駐車場は火山の中心部にあって,火口が密集している中につくられている.道路を隔てた弓池のほとりにある小さな火口は1902年の爆発で生じた.
浅間山(C) 20世紀前半に盛んに爆発した.そのうち12回の爆発で約30人が命を落とした.最後の死亡事故は1961年8月.現在,小諸側は火口から2km,軽井沢側は火口から4km以内が立入禁止.ただし,いまはとても静かだから,近い将来山頂登山が実現するのではないか.
新潟焼山(B) 1974年7月の爆発のとき,山頂付近にキャンプ中の学生3人が噴石の直撃を受け死亡.1997年11月にも異常が認められた.
立山(E) 立山の頂上は火山ではないが,室堂平にはたくさんの火口がある.硫化水素ガスを吸引したための死亡事故が地獄谷で1967年,1970年,1985年に起きている.
焼岳(D) 1962年6月の噴火で山小屋にいた4人が負傷.以来長いこと登山が禁止されていたが,1990年11月,山頂まで登れるようになった.
御嶽(D) 1979年10月,数百年ぶりにねむりから覚めた.1991年4月にもごく小さな噴火があった.
富士山(E) 急げ! 山頂がなくなる前に登っておこう.
箱根山(E) 大涌谷や湯ノ花沢の噴気地帯で,硫化水素ガスを吸った観光客が数人亡くなっている.
東伊豆単成火山地域(C) 天城山の万三郎岳などのピークはもう噴火しないだろう古い火山だが,その山腹には皮子平・大室山・小室山など小さいが新しい火山がたくさんある.つまり伊豆半島東部は,全体が火山地域だとみてよい.1989年7月に伊東沖で海底噴火が起こったが,次の噴火位置を予想するのはむずかしい.
伊豆大島(C) 全島避難は1986年11月21日のこと.1996年から火口のすぐ近くまで行けるようになった.
九重山(D) 1995年10月に硫黄山が爆発して灰を降らせたが,どうやらおさまったようだ.しかし,すがもり越ルートをとる場合は注意したい.
阿蘇山(B) 爆発が起こると,山頂駐車場まで噴石が飛んでくる.爆発でなくても,二酸化硫黄ガスを吸い込んで亡くなる人が数年おきに出る.ガスの濃度測定器が設置されて警報が出されることになっているが,ぜんそくの人は山頂駐車場より上に行かないほうがよい.
雲仙岳(C) 1991年の大火砕流発生以降,登山できなかったが,新しくできた溶岩ドームを除いて,さいきん登山が可能になった.
霧島山(D) 1991年11月13日から新燃岳で突然地震が増えて12月に少量の火山灰を噴出した.いまは静かになった.
桜島(A) 1955年10月から,もう40年以上噴火が続いている.爆発はいつでも起こる.山頂に向かうのはきわめて危険.→気象庁の火山情報
諏訪瀬島(A) ただいま噴火中.爆発はいつでも起こる.
平均的日本人が交通事故で死亡する確率は,毎日1/4,000,000です.
1997.9.16 作成 1997.9.24/11.30/12.23//1998.3.19 /6.27/7.9/9.5改訂
以下の評価は,1998年6月26日までに収集した情報をもとに,私個人が危険度評価をしたものです.登山や観光にお役立てください.言うまでもありませんが,危険の指摘をしていない火山が絶対安全であることを保証するものではありません.ここにあげられていない火山が安全であることを保証するものでもありません.入山の際は,常識を十分に活用して,自己の責任で行動してください.
火山名の次に示した分数は,山頂または火口底ふきんに2-3時間留まった場合に死亡する確率です.火口(危険個所)までの距離をとれば,確率はもっと小さくなります.
参考:平均的日本人が交通事故で死亡する確率は,毎日1/4,000,000です.
98.6.27 見直しで危険度ランクが上昇した火山
岩手山 1/300 火山体の変形と同時に地震が群発している.1919年に小爆発した大地獄の周辺500mと,そこから流れ出る焼切沢は,いまたいへん危険.水蒸気爆発による岩塊飛散と土石流発生の危険がある.1686年に大爆発した山頂火口ふきんも要注意.焼走り溶岩は北東山腹からの1732年噴火で生じた.→気象庁の火山情報,→私個人のコメント
桜島 1/100 ただいま噴火中.爆発はいつでも起こる.→気象庁の火山情報
諏訪瀬島 1/300 ただいま噴火中.爆発はいつでも起こる.
安達太良山 1/1,000 1996年9月以来,しばしば熱水の噴出がみとめられる.1997年9月15日には,沼の平をハイキング中の4人が有毒ガス(硫化水素H2S)を吸引して死亡した.いま沼の平に足を踏み入れるのは危険.硫化水素は空気より重いから,無風時に窪地に入るのはきわめて危険.→気象庁の火山情報
秋田焼山 1/1,000 1997年5月と8月に水蒸気爆発が起こった.予告なく爆発が起こる危険がある.噴石にあたらないようにしよう.有毒火山ガスにも注意.無風時の窪地は危険.1986年5月8日には,玉川温泉叫沢で有毒ガスを吸って一人が死亡しています.未確認ですが,1988年に3人が死亡したという情報もあります.
阿蘇山 1/1,000 山頂駐車場にはいつ噴石が飛んできてもおかしくない.買ったばかりの新車で行く気はしない.ぜんそくの方は山頂駐車場より上には行かないのが無難.二酸化硫黄を吸い込んで亡くなる方が数年おきに出ます.
新潟焼山 1/3,000 山腹でテントを張っても,噴石が心配でおちおち眠れないだろう.1997年11月に降灰があったらしい(未確認).
雲仙岳 1/10,000 地震と山くずれに注意.有明海に達する山くずれが発生する確率はそう低くない.
東伊豆単成火山地域 1/10,000 1989年7月の伊東沖海底噴火は約2700年ぶりのこの地域での噴火.最悪はもう終わったと思うのは楽観的すぎる.ここは単成火山地域なので,次はどこから噴火するかを予想するのはむずかしい.
草津白根山 1/30,000 山頂の駐車場は,火山の中心部にあって火口が密集している中につくられていることを,すべての観光客が知っておくべきだ.道路を隔てた弓池のほとりにある小さな火口は1902年に生じたものだ.万座温泉から湯釜は見えないが,そこは湯釜からの噴石の到達距離内にある.
浅間山 1/30,000 百名山だから登りたいなあ.東側峰の茶屋からのほうがアクセスがいいが,西側小諸口,湯の平からのコースの方が変化に富んでいて楽しい.静かないまがチャンス.
伊豆大島 1/30,000 いまなら大丈夫みたい.全島避難は1986年11月21日のこと.しかし,いつ状況が変わるかわからないので注意が必要.
北海道駒ヶ岳 1/100,000 1995年3月に爆発して灰を降らせたが,どうやらおさまったようだ.1929年の噴火では火砕流が発生したので,この火山の噴火には厳重な警戒が必要.
雌阿寒岳 1/100,000 1996年11月に爆発して灰を降らせたが,どうやらおさまったようだ.
九重山 1/100,000 1995年10月に爆発して灰を降らせたが,どうやらおさまったようだ.
富士山 1/1,000,000 急げ! 山頂がなくなる前に登っておこう.
八甲田山 1/3,000,000 1997年7月12日,訓練中の自衛隊員3名が田代平の窪地で死亡した.原因は二酸化炭素CO2を吸入したためらしい.田代平の窪地には入ってはならない.登山は,楽しそう.
日本の火山の最近噴火年代(英文;北から南へ)96.12.29
いまから1年以内に噴火する(しない)確率の表(英文)96.12.3
2000年噴火カタログ(英文)96.11.24
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