以下の想定シナリオでは,日光白根山頂に噴火口が開くことを仮定する.
シナリオ 2:水蒸気爆発(1 年以内に発生する確率 1/100)
・爆発による岩塊到達距離は火口から 2 km.住家に被害なし.
・粘土質火山灰が湯元に 5 cm 降り積もる.
・融雪泥流または降雨による泥流が発生する.群馬県側では,1)仁下又沢を下って上小川の手前まで,2)座禅山東麓から菅沼キャンプ場へ.栃木県側では,金精沢と五色沢から湯元へ.
既存事例:日光白根 1649 (M2.8),草津白根 1939 (M2.7)
シナリオ 4:軽石噴火(1 年以内に発生する確率 1/3000)
・爆発による岩塊到達距離は火口から 4 km.湯元・菅沼キャンプ場・丸沼スキー場が射程距離内にある.
・軽石が湯元に 50 cm 降り積もる.
・溶岩流は大広河原を 4 km 下る.これによる住家の被害なし.
・融雪泥流または降雨による泥流が発生する.群馬県側では老神温泉までの片品川流域.栃木県側では,1)湯元→戦場ケ原→菖蒲ケ浜まで,2)外山沢から千手浜まで.中禅寺湖より下流には達しない.
・もし火砕流が発生すると,8 km まで到達する.群馬県側では上小川の手前まで.栃木県側では菖蒲ケ浜までと千手浜まで.奥鬼怒温泉郷へは達しない.
既存事例:浅間 1783 (M4.8),北海道駒ケ岳 1929 (M4.5)
シナリオ 6:カルデラ噴火(1 年以内に発生する確率 1/100000)
・軽石が今市に 100 cm 降り積もる.
・火砕流が四方へ 20 km 走る.群馬県側では,鎌田・追貝・老神温泉まで.栃木県側では,足尾町・日光市・川俣温泉まで.福島県側の檜枝岐川流域には達しない.
・泥流は,1)片品川→利根川→前橋→東京・銚子,2)渡良瀬川→桐生→栗橋,3)大谷川→今市→鬼怒川→取手→銚子,4)今市→赤堀川→宇都宮へ下る.
・噴火口のまわりにカルデラが形成される.
既存事例:浅間 1 万 5000 年前 (M6.0),男体 1 万 4000 年前 (M5.6),ピナツボ 1991 (M5.8)