浅間山より古い地層
黒斑山の形成と2万4300年前の崩壊(塚原土石なだれ)
2万2050年前の噴火(雲場)
2万0800年前の噴火(白糸)
1万5800年前の噴火(平原)
6730年前の噴火(E)
5900年前の噴火(D)
東と南へ降った軽石
古墳時代の噴火(C、3世紀末)
685年(天武天皇十四年)偽噴火
1108年(嘉承三年/天仁元年、B)
1281年(弘文四年)偽噴火
1532年(享禄四年)土石流
1596年(文禄五年/慶長元年)
1598年(慶長三年)偽噴火
1721年(享保六年)
1783年(天明三年、A)
釜山と軽石
鬼押出し溶岩
吾妻火砕流
鎌原熱雲と土石なだれ
1900年(明治三十三年)偽噴火
1911年(明治四十四年)
1913年(大正二年)
1930年(昭和五年)
1931年(昭和六年)
1936年(昭和十一年)
1941年(昭和十六年)
1947年(昭和二十二年)
1950年(昭和二十五年)
1958年(昭和三十三年)
1961年(昭和三十六年)
1973年(昭和四十八年)
1982年(昭和五十七年)
1983年(昭和五十八年)
2004年(平成十六年)
参考文献
高羽根沢の嬬恋湖成層
高羽根沢の高い壁面の下半分は嬬恋湖成層がつくっている。左の二枚の写真はどちらも右岸を撮影したものである。上部に平原火砕流が見える(地点13)。
嬬恋湖成層は、かつてこの地域に存在した標高900〜950メートルに水面があった大きな湖の底に堆積したシルト・砂・礫からなる。鳥浜火山灰と空沢軽石と石津原軽石を挟むから、25〜20万年前に堆積した地層である。白砂川が合流する地点付近で吾妻川が堰き止められてできた。三原や応桑にも分布している。
23万年前の土石なだれ
下松原開拓
に、塚原より古い土石なだれの堆積物が露出している。
左下に見える青灰色の岩体がそれだ(地点12)。
近づくと、破砕された火山岩からなることがわかる。高羽根沢に露出する嬬恋湖成層中に挟まれている土石なだれと同じ地層だと思われる。給源の山体崩壊は、烏帽子山塊のどこかで23万年前に発生した。
上ノ原の土取場、それから鎌原小学校の西側の高まりも、この古い土石なだれが残した流れ山だろう。
嬬恋軽石の下90センチ(二枚上の写真の矢印部分)には、直径2ミリの白色軽石が厚さ16センチの層内に散在している。粒径から考えて、これは浅間山の軽石ではなく、やや離れた火山から飛来したものにちがいない。御岳第一軽石あるいは立山E軽石だろう。前者の場合の年代は9万9000年前、後者の場合は7万5000年前だから、嬬恋軽石の直下には不整合があると判断される。数万年間の地層が、氷期の厳しい気候下で、地表浸食によって失われてしまった。
浅間火山北麓の電子地質図 2007年7月20日
著者
早川由紀夫
(群馬大学教育学部)
描画表現・製図 萩原佐知子(
株式会社チューブグラフィックス
)
ウェブ製作
有限会社和田電氣堂
この地質図は、文部科学省の科研費(17011016)による研究成果である。
背景図には、国土地理院発行の2万5000分の1地形図(承認番号 平19総複、第309号)と、 北海道地図株式会社のGISMAP Terrain標高データを使用した。