気象庁(1991)は、「9月23日04時37分の噴火で登山者1名死亡、6名負傷、山麓でガラス破損、爆発音の外聴域出現」と書いている。これを裏付ける記事が9月24日の毎日新聞にある:
「登山者四十三名中賽の河原で長野工高二年生新井幸雄君(一七)が火山弾で死んだほか重傷一、軽傷男四、女三を出し他は命カラガラ下山した。」
この爆発によって、大きな岩塊が投げ出されて釜山火口縁に上にちょうどのった。これを千トン岩という。千トン岩は釜山火口の真北に着地しているので、よいランドマークとなっている。気象庁軽井沢測候所が作成した1950年9月23日噴火による放出岩塊分布図
もっとも遠くまで達した火山弾
P1020787s.jpgこの岩は丸い外形とガラス質であることから、20世紀のブルカノ式爆発のときに浅間山頂火口から飛来した火山弾だと思われる。山頂火口中心から測って5.5キロの距離にある。現在まで知られている限り、浅間山頂火口からもっとも遠くまで飛行した火山弾である
 
 
浅間火山北麓の電子地質図 2007年7月20日
著者 早川由紀夫(群馬大学教育学部)
描画表現・製図 萩原佐知子(株式会社チューブグラフィックス
ウェブ製作 有限会社和田電氣堂
この地質図は、文部科学省の科研費(17011016)による研究成果である。
背景図には、国土地理院発行の2万5000分の1地形図(承認番号 平19総複、第309号)と、 北海道地図株式会社のGISMAP Terrain標高データを使用した。