濁沢と小滝沢の合流点の手前に、このうねりから突出した小山がある。これは、塚原土石なだれの流れ山だ。平原火砕流の埋め尽くしから逃れた流れ山は、大屋原にもいくつかみられる(地点22)。
鎌原と北軽井沢を結ぶ道路は、ここでだけ平原火砕流がつくった平坦面上を通過する。ここ以外はすべて、900年前の追分火砕流がつくった平坦面と、200年前の鎌原土石なだれがつくった黒岩と流れ山が点在する地面の上を通る(地点26)。
接写。給源近くのプリニー式軽石として典型的だ。こういう崖をみて、「指が入る」と言ったのは久野久である。細かい粒子がないので、隙間に指が入る。大きな軽石の芯はハム色をしている。高温酸化したせいだ(地点59)。
1万5800年前の嬬恋軽石の上下には、よく成層した火山灰がある。新鮮な断面でその火山灰を観察すると、そのカラフルさに驚かされる。 表面流水に削られてできたガリー(雨裂)が、同じ位置に繰り返しできている。その間隔にも規則性があるようだ。北軽井沢の国道脇(地点20)。