浅間山の大きな噴火を新しいものから順に、A、 B、 C、・・と呼ぶと、Eに当たる噴火の堆積物はウグイス色の火山灰を挟むスコリアである。
P1020859s.jpg(地点50)
P1020863s.jpg基底の朱色粘土が特徴的だ。

P1030702s.jpg北西麓の姥が原では、クロボクの間に挟まれている。ローム直下の厚い軽石は嬬恋軽石(地点57)。

70cm クロボク
25cm 再堆積ローム
25cm E軽石
25cm クロボク

という層位だから、Eの年代は、ここだけの観察から、7000年前くらいだと推定できる。
 EとDの年代は、志賀高原・苗場山平標山平ヶ岳などの湿原堆積物に挟まれているアカホヤ火山灰や妙高火山灰などとの層序関係からよくわかっている。志賀高原では、Eの下15センチにアカホヤ火山灰がある。苅谷愛彦らの研究によると、Eは6730年前、Dは5900年前になる。これは、南九州から飛来したアカホヤ火山灰を7330年前と考えたときの年代である。
 
浅間火山北麓の電子地質図 2007年7月20日
著者 早川由紀夫(群馬大学教育学部)
描画表現・製図 萩原佐知子(株式会社チューブグラフィックス
ウェブ製作 有限会社和田電氣堂
この地質図は、文部科学省の科研費(17011016)による研究成果である。
背景図には、国土地理院発行の2万5000分の1地形図(承認番号 平19総複、第309号)と、 北海道地図株式会社のGISMAP Terrain標高データを使用した。